銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案(内閣提出第三〇号)の概要
本案は、最近における銃砲をめぐる情勢に鑑み、電磁石銃(電磁石の磁力により金属性弾丸を発射する機能を有する銃のうち、金属性弾丸の運動エネルギーの値が、人の生命に危険を及ぼし得る値以上となるものをいう。)を銃砲に追加するほか、ライフル銃の範囲を拡大するとともに、銃砲等の発射及び所持に関する罰則を強化する等の措置を講ずるもので、その主な内容は次のとおりである。
一 銃砲等の発射及び所持に関する罰則の強化
1 一定の場合を除き、不特定若しくは多数の者の用に供される場所若しくは乗物に向かって、又はこれらの場所若しくは乗物において拳銃等以外の銃砲等を発射することを禁止し、所要の罰則を設けることとすること。
2 人の生命、身体又は財産を害する目的で拳銃等以外の銃砲等を所持した罪の罰則を強化することとすること。
3 拳銃等を所持した罪又は人の生命、身体若しくは財産を害する目的で拳銃等以外の銃砲等を所持した罪に当たる行為を、公然、あおり、又は唆したことに対する罰則を設けることとすること。
二 電磁石銃の所持の禁止に関する規定の整備
電磁石銃を「銃砲」の定義に追加することとし、所持許可を受けた者が所持する場合等を除き、電磁石銃を所持することを禁止することとすること。
三 ライフル銃の範囲の拡大
銃 腔 に腔旋を有する猟銃で腔旋を有する部分が銃腔の長さの五分の一以上であるものについて、ライフル銃としての所持許可の基準の特例を適用することとすること。
四 その他の規定の整備
1 猟銃等保管業者に保管を委託することができる銃砲に空気拳銃を追加することとすること。
2 都道府県公安委員会は、猟銃等の所持許可を受けた者が引き続き二年以上当該猟銃等を当該所持許可に係る用途の全部又は一部に供していないと認めるときは、その所持許可を取り消し又は当該一部の用途が当該所持許可に係る用途に含まれないものに変更することができることとすること。
3 都道府県公安委員会は、銃砲等の所持許可等に関する事務の処理に関し必要があると認めるときは、公務所等に照会して必要な事項の報告を求めることができることとすること。
五 施行期日
この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。ただし、一については、公布の日から起算して一月を経過した日から施行すること。