警察法の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)要旨
本案は、最近におけるサイバーセキュリティに対する脅威の深刻化に鑑み、国家公安委員会及び警察庁の所掌事務に重大サイバー事案に対処するための警察の活動に関する事務等を追加するとともに、警察庁が当該活動を行う場合における広域組織犯罪等に対処するための措置に関する規定を整備するほか、警察庁の組織について、サイバー警察局を設置する等の改正を行うもので、その主な内容は次のとおりである。
一 重大サイバー事案に対処するための警察の活動に関する規定等の整備
1 サイバーセキュリティが害されることその他情報技術を用いた不正な行為により生ずる個人の生命、身体及び財産並びに公共の安全と秩序を害し、又は害するおそれのある事案を「サイバー事案」と、当該事案のうち一定の重大なものを「重大サイバー事案」と位置付け、国家公安委員会及び警察庁の所掌事務に重大サイバー事案に対処するための警察の態勢に関する事務及び重大サイバー事案に係る犯罪の捜査その他の重大サイバー事案に対処するための警察の活動に関する事務を追加すること。
2 関東管区警察局に、全国を管轄区域として、警察庁の所掌事務のうち重大サイバー事案に対処するための警察の活動に関する事務を分掌させること。
3 広域組織犯罪等に対処するための措置に関して、警察庁と都道府県警察が重大サイバー事案について行う共同処理に関する規定及び重大サイバー事案の処理に関して警察庁に派遣された都道府県警察の警察官の職権に関する規定を設けること。
二 警察庁の組織について、サイバー警察局を設置し、その所掌事務としてサイバー事案に関する警察に関する事務等を定めるとともに、情報通信局を廃止し、長官官房の所掌事務に警察通信に関する事務等を追加すること。
三 その他、所要の規定の整備を行うこと。
四 この法律は、令和四年四月一日から施行すること。