土地改良法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二二号)概要
本案は、農業水利施設の老朽化の進行、気象災害のリスクの増大、農村人口の減少等に的確に対応し、農業生産の基盤の保全及び担い手のニーズに対応した基盤整備に関する措置を講ずるものであり、その主な内容は次のとおりである。
一 目的規定等の見直し
土地改良法の目的規定について、食料・農業・農村基本法の内容に即して農業生産の基盤の整備及び保全を図ることを明確化する等の見直しをするとともに、土地改良長期計画に係る規定についても同様の見直しをするものとすること。
二 基幹的な農業水利施設の計画的な更新に係る事業の創設
基幹的な農業水利施設の更新については、農業者からの申請によらず、国又は都道府県の発意による事業を実施できるよう措置するものとすること。
三 土地改良区が地域の関係者と連携して行う農業水利施設の保全に係る制度の創設
土地改良区が施設の保全に係る計画を作成できることとし、この計画において、土地改良区と市町村等の関係者の役割分担等を定め、施設の保全に向けた体制を構築できるよう措置するものとすること。
四 急施の事業の拡充
老朽化等により損壊が生ずるおそれのある農業水利施設の補強等の事業、再度災害を防止するための改良復旧の事業等について、原則として農業者の費用負担や同意を求めずに事業を迅速に行う制度に追加するものとすること。
五 農地中間管理機構関連事業の拡充
事業実施主体に市町村を追加するとともに、農地中間管理機構が所有権を有する農用地を対象に追加するものとすること。
六 情報通信環境整備事業の創設
地域におけるスマート農業の導入の推進及び農業水利施設の管理の効率化を図るため、土地改良区が都道府県知事の認可を受けて情報通信環境を整備する事業を実施できるよう措置するものとすること。
七 その他
土地改良区の体制及び運営に関する措置を講ずるとともに、土地改良事業の適正な実施に関する措置を講ずるものとすること。
八 施行期日
この法律は、令和七年四月一日から施行するものとすること。