公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案(農林水産委員長提出、衆法第三〇号)概要
本案は、脱炭素社会の実現に向けて、建築物等における木材の利用の一層の促進を図るため、木材の利用の促進に関する基本理念を定め、基本方針等の対象を公共建築物から建築物一般に拡大するとともに、建築物における木材の利用の促進及び建築用木材の適切かつ安定的な供給の確保に関する措置の拡充等をするものであり、その主な内容は次のとおりである。
一 題名及び目的の改正
題名を「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」に改めるとともに、目的に「脱炭素社会の実現に資すること」を追加するものとすること。
二 基本理念の新設
木材の利用の促進は、森林による二酸化炭素の吸収作用の保全及び強化が十分に図られること、二酸化炭素の排出の抑制その他の環境への負荷の低減が図られること、森林の有する多面的機能が持続的に発揮されること及び地域の経済の活性化に資することを旨として行われなければならないものとすること。
三 林業及び木材産業の事業者の努力
林業及び木材産業の事業者は、二の基本理念にのっとり、建築用木材等の適切かつ安定的な供給に努めるものとすること。
四 基本方針等の対象の拡大
基本方針等の対象を公共建築物から建築物一般に拡大するものとすること。
五 建築物における木材利用促進のための協定制度の創設
1 国又は地方公共団体及び事業者等は、事業者等による建築物における木材の利用の促進に関する構想及び国又は地方公共団体による当該構想の達成に資するための支援に関する事項を定めた協定を締結することができるものとすること。
2 国は、1の協定に係る構想の達成のための事業者等の取組を促進するため、必要な支援を行うものとし、地方公共団体は、国の措置に準じて必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。
六 木材利用促進本部の設置
農林水産省に、特別の機関として木材利用促進本部を置くものとし、同本部は、基本方針の策定及び木材の利用の促進に関する施策の実施の推進等に関する事務をつかさどるものとすること。
七 施行期日
この法律は、令和三年十月一日から施行するものとすること。