土地改良法の一部を改正する法律案(内閣提出第一九号)概要
本案は、自然災害に対する土地改良施設の安全性の向上を図るとともに、農用地の利用の集積を促進するため、農業用用排水施設の豪雨対策を目的とした急施の防災事業の実施、農地中間管理機構が賃借権等を取得した農用地を対象とした土地改良事業の拡充等の措置を講ずるものであり、その主な内容は次のとおりである。
一 急施の防災事業の拡充
国、都道府県又は市町村は、ため池等の農業用用排水施設の豪雨対策を目的とした土地改良事業を急速に行う必要があると認める場合には、現行の耐震化を目的とした事業と同様に、事業参加資格者の申請及び同意なく事業を実施できることとし、事業参加資格者の費用負担は原則として不要とすること。
二 農地中間管理機構関連事業の拡充
都道府県は、農地中間管理機構が賃借権等を取得した農用地を対象に、一定の場合に、土地改良施設や農用地の改良・保全のための施設を整備する事業を実施する場合には、同機構の同意のみをもって、事業参加資格者の申請、同意及び費用負担なく実施できることとすること。
三 土地改良事業団体連合会の事業の拡充
1 土地改良事業団体連合会が委託を受けて行う土地改良事業の工事
全国土地改良事業団体連合会又は都道府県土地改良事業団体連合会は、市町村、土地改良区等から委託を受けて、土地改良事業の工事を行うことができることとすること。
2 全国土地改良事業団体連合会が行う資金の交付
土地改良区等が行う土地改良事業の円滑な実施のための資金の調達・交付ができるよう、全国土地改良事業団体連合会が、長期借入金の借入れ及び債券の発行をすることができることとすること。
四 土地改良区の組織変更制度の創設
土地改良区は、その選択により、一般社団法人又は認可地縁団体への組織変更ができることとすること。
五 施行期日
この法律は、令和四年四月一日から施行するものとすること。ただし、四については、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。