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法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案(内閣提出第二二号)概要

 本案は、法人等による不当な寄附の勧誘を禁止するとともに、当該勧誘を行う法人等に対する行政上の措置等を定めることにより、消費者契約法とあいまって、法人等からの寄附の勧誘を受ける者の保護を図るものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 法人等は、寄附の勧誘を行うに当たり、個人の自由な意思を抑圧し、適切な判断をすることが困難な状態に陥ることがないようにすること等に配慮しなければならないものとすること。なお、この法律において「寄附」とは、個人が法人等に対し、無償で財産に関する権利を移転することを内容とする契約等及び無償で財産上の利益を供与する単独行為をいうものとすること。

二 法人等は、寄附の勧誘をするに際し、不退去等の不当勧誘行為により、寄附の勧誘を受ける個人を困惑させてはならないものとするとともに、寄附の勧誘を受ける個人に対し、借入れ等による資金調達を要求してはならないものとすること。

三 内閣総理大臣は、寄附の勧誘に関する禁止規定の施行に関し特に必要な限度で、法人等に報告を求めることができるとともに、違反行為が認められ、引き続き当該行為をするおそれが著しいと認めるときは、当該法人等に対し、必要な措置をとるよう勧告することができるものとすること。また、勧告を受けた法人等が、正当な理由なく当該勧告に係る措置をとらなかったときは、命令を行うことができることとし、命令に違反したときは、一年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科すること。

四 個人は、法人等による一定の不当勧誘行為により困惑し、それによって寄附に係る契約の申込み等の意思表示をしたときは、当該寄附の意思表示を取り消すことができるものとすること。

五 被保全債権が扶養義務等に係る定期金債権である場合、この法律及び消費者契約法に基づく寄附(金銭の寄附のみ)の取消権、寄附した金銭の返還請求権については、民法第四百二十三条第二項本文の規定にかかわらず、履行期が到来していなくても債権者代位権の行使を可能とすること。

六 国は、取消権や債権者代位権の適切な行使により被害回復等を図ることができるようにするため、日本司法支援センターと関係機関等の連携強化による利用しやすい相談体制の整備等、必要な支援に努めなければならないものとすること。

七 この法律の運用に当たっては、法人等の活動に寄附が果たす役割の重要性に留意し、信教の自由等に十分配慮しなければならないものとすること。

八 この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行すること。

九 政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律の規定の施行の状況及び経済社会情勢の変化を勘案し、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。

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