電波法及び放送法の一部を改正する法律案(内閣提出第一九号)の概要
本案は、電波の有効利用を促進し、及び情報通信技術の進展等に対応した規制の合理化を図るため、特定高周波数無線局を開設することのできる者を価額競争により選定する制度の創設等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 新たな周波数割当方式の導入
六千メガヘルツを超える同一の周波数を使用する相当数の無線局を一定の区域において一体的に運用するために開設される「特定高周波数無線局」を開設することのできる者を、価額競争により選定する制度を創設すること。
二 無線局の免許状等のデジタル化等に関する制度の整備
1 無線局の免許状等のデジタル化
無線局の免許状等及び基幹放送事業者の認定証について、書面による交付を廃止して、免許人等が、免許等に係る事項を記録した免許記録等をインターネットで閲覧できる仕組みを導入すること。
2 国の機関等に対する免許等関連手続のデジタル化の義務付け
国の機関、独立行政法人及び包括免許人その他の相当数の無線局を開設している者に対し、免許の申請等の手続について、書面による手続を廃止して、インターネットによる手続を義務付けること。
三 電波利用料制度の見直し
1 免許人等が電波利用料として国に納めなければならない金額の改定
令和七年度から令和九年度までの電波利用共益費用等の見込みを勘案した電波利用料の料額の改定を行うこと。
2 電波利用料の使途の見直し
電波利用料の使途として、携帯電話基地局等の強靱化に係る補助金の交付を追加するとともに、特定周波数変更対策業務の対象に周波数を共同利用する場合を加えるほか、同業務について無線設備の機能を有線通信により代替する設備への変更工事に要する費用への給付金の支給等を可能とすること。
四 中継局を廃止する際の受信者保護規律の整備
特定地上基幹放送事業者等が中継局を廃止する際には、その廃止する地域において放送番組を引き続き視聴できるようにするための措置を講ずるように努めること。
五 施行期日
この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。