医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する件
政府は、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一 医療的ケア児が成人となった後も適切な保健医療サービス及び福祉サービスを受けながら日常生活及び社会生活を営むことができるようにすることも重要であることに鑑み、地方公共団体や医療的ケア児支援センターが医療的ケア児の成人期への移行に際して行う支援について万全を期すこと。
二 医療的ケア児支援センターに関し、次に掲げる措置を講ずること。
1 医療的ケア児支援センターが、医療的ケア児及びその家族のニーズに応じた支援を行う機関や団体との連絡調整を行うことを含め、医療的ケア児及びその家族からの相談を受けることを業務とする機関であることについての広報を行うこと。
2 医療的ケア児等コーディネーターを中核として医療、保健、福祉、教育、労働等に関する業務を行う関係機関及び民間団体をネットワーク化して相互の連携を促進するとともに、都道府県内の医療的ケア児に関連する情報が医療的ケア児支援センターに集約され、関係機関等の相互の連携の中で適切に活用されるようにすることにより医療的ケア児支援センターが専門性の高い事案に係る相談支援を行うことができるようにするため必要な支援を行うこと。
3 都道府県内の医療的ケア児の数等に応じて複数の医療的ケア児支援センターが設置されるようにする等、医療的ケア児及びその家族に対して適切な支援を行うことができる体制を確保するために必要な支援を行うこと。
三 本法が保育所の設置者、学校の設置者等に看護師等を配置するよう求めていることに関し、現在、看護師等が常時配置されていない保育所、学校等に通園・通学している医療的ケア児について、本法の施行後、当該保育所、学校等に看護師等が常時配置されていないことが当該児童の通園・通学の妨げとなることのないよう、本法の趣旨について必要な周知を行うこと。
四 本法の定義規定において、「「医療的ケア」とは、人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引その他の医療行為をいう」とされたことに伴い、「医療的ケア」に係る「医療行為」の範囲が変更されたかのような誤解を招くことがないよう、適切に周知を行うこと。
右決議する。