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昭和二十五年三月四日提出
質問第六七号

 金山復興対策に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和二十五年三月四日

提出者  高田弥市

          衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿




金山復興対策に関する質問主意書


 政府は、国際経済情勢に対応して、国内金山の復興、金増産のための施策を講ぜんとしているが、戰前わが国の金産出量は、台湾、朝鮮を含めて年産約五十三トン(内地だけ二十六トン)戰後年産約四トンに過ぎない。今後、この長年月にわたり閉鎖荒廃し、資材設備の撤去された金山を復活して、予定計画の三箇年十トンの金増産を確保せんとするならば、ここに思いきつた緊急対策を講ずべきである。
 輸出貿易の振興と併行して、金の増産こそわが国経済復興上不可欠の問題であるが、併し乍ら政府の対策は、見返資金の活用等、既設の大金山本位であつて、中小金山の復興開発に対しては熱意がなく、はなはだ遺憾である。そこで主として中小金山の開発に対して質問する。

一 金山整備以来数箇年、ほとんど坑道坑内は崩壊の現状で、有望周知な金山の旧坑取明けこそ金山開発の第一歩である。従つて探鉱奬励金の下付こそ新たなる坑道の開さくより旧坑取明けに重点を置くべきではないかと思うが如何。
二 金山開発の金融問題については、見返資金は大金山にのみ重点的に融通せられているが、中小金山への金融措置については如何なる具体案があるか。
三 青化製練場、浮遊選鉱場の設備に対する助成方針は勿論であるが、砂金、鉱滓等の物理的貧鉱の選鉱処理こそ新たなる課題として積極的に助成奬励の方針を講ずべきであると思うが如何。
四 金価格引上げの実施は速やかになすべきであり、又運送賃の割引措置を急速に実施すべきものと思うが、その対策如何。
五 税金の問題については、所得税に対する特免は在来通りで結構であるが、地方税においては坑道に対する固定資産税の賦課、鉱山税、鉱区税等は産金奬励上充分考慮是正すべきであると思うが、政府の所見如何。

 右質問する。





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