衆議院

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昭和二十五年十一月三十日提出
質問第一二〇号

 不当差押に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和二十五年十一月三十日

提出者  風早八十二

          衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿




不当差押に関する質問主意書


一 十月十二日の東京都豊島税務署の署員は、池袋西口マーケツト内の小野沢氏(青果商)方に現われ、同氏の抗議を無視して、税務署から用意してきた、大帳紙四枚に「本日に限り五割引」と大書して、署員自ら時価約三万五千円の商品を八、三〇〇円で売りさばき、滯納分の一部として持ち去つた。小野沢氏妻女はこれがため発狂し民生委員によつて入院し、店は廃業同様となつた。そこで次のことについて政府の所信を質したい。
 1 これは国税徴收法に違反する職権濫用であり白晝強盗であると考えるがどうか。
 2 この事件は、本員白身、高橋国税庁長官に抗議してあるがいかなる処置をとつたか。
 3 当時すでに同様のケースが同じ豊島税務署管内に八件も起つている。
二 十月十三日東京都四谷税務署の山本某なるものが、新宿区山吹町の竹内氏(表具店)方に現われ、二十四年度所得税の滯納分を取りたてるため、店のガラス戸四枚をはがして持ち去ろうとした。竹内氏妻女が懇願的に抗議したところ山本はいきなり彼女の右の眼をなぐりつけ、全治一週間以上の傷害を與えた。これは、国税徴收法、国家公務員法に違反し、明らかに暴行傷害、職権濫用罪を構成すると思うが如何。
  これに対して政府はいかなる善後処置を講じたか、責任者はどう処分したか。損害賠償をしたかどうか。
三 中野区本町通り四ノ一三棚部千代松氏(壽司委託加工業)は、二十四年度所得税のうち残金二万三千円があつたが、八月末中野税務署関根某事務官外一名がトラツクに乘つて店頭に現われ、証票もみせずにいきなり冷凍庫内の魚を引き出そうとした。
  棚部氏が「金をととのえるからまつてくれ。」というと、関根事務官は「十分待つてやる」と答え、棚部氏が外に出て金策に当つている最中にもかかわらず、棚部氏の自転車の鑑札をはずし、トラツクに積んだ。これを見て駆けつけた近所の者が抗議したので、やつと自転車をおろし立ち去つた。
  この関根事務官の行為は明らかに国税徴收法第十一條及び第十七條に違反していると思うが如何。
  当局は、関根事務官に対していかなる処分を行つたか。又、棚部氏に対して損害賠償を行つたかどうか。若し、しない場合はなぜしないか、する意思があつてしない場合はいつまでにやるつもりか。

 右質問する。



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