質問本文情報
昭和二十五年十二月二日提出質問第一六五号
農家の負債整理に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和二十五年十二月二日
提出者 高田富之
衆議院議長 ※(注)原喜重※(注) 殿
農家の負債整理に関する質問主意書
供出過重のため、各地でいわゆる「買出し供出」なる違法行為が公然と行われている現状にあるが、このため農業協同組合を通じての負債並びに高利貸その他からの負債が累増し、農家経済を破たんに陷れている。一例として埼玉県北葛飾郡吉川町附近数箇村(二合半領地帶)のごときは昨年度の供出のため、多きは一戸当り三十万円、平均一〇万円ないし二〇万円の負債を背負つた農家が極めて多く、農業協同組合からの負債のみでも一町村平均八〇〇万円程度に上り、このため、今年度の供米代金も差し引かれようとしている。従つて農民は、肥料その他必需品を購入するためには、やみ売りをしなければならない。その結果は、再び未供出とならざるをえない惡循環に陷つている。現在この地帶は土地の放棄による経営の縮小、税金の滯納、不供出罪に問われるもの等続出し、荒廃の極に達している。
政府はかかる状態から農家経済を救済するため、至急この種の負債をたな上げ整理することは、当然緊急にとるべき措置と考えるが如何。
この地帶では右の農業協同組合からの負債は、現在農業手形に振り替えられているが、全国的にもこの種の農業手形債務を別途に整理して、農業経営に対する債務の重圧を排除することはぜひ必要と思うが如何。具体的に緊急措置に関する政府の考えを説明されたい。
右質問する。