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昭和二十六年一月八日提出
質問第五八号

 中仙道改修工事に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和二十六年一月八日

提出者  高田富之

          衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿




仲仙道改修工事に関する質問主意書


 仲仙道(国道)の改修工事に関しては、第七国会当時から建設、予算等各委員会で政府当局に対し、種々質疑が行われ、左の諸点が明らかにされている。

 1 この工事は、関係方面の命令によるものではなく、政府の自主的計画に基いて進められているものであること。
 2 工事の目的は、軍用道路の建設にあるのではなく、産業道路であること。
 3 路線の決定は、地元民の意思を尊重して実施されており、現在まで反対の声を聞いていない。もし強い反対が実際にあるとすれば、その方面の工事を中止することもあらう。

 そこで次の諸点について質問する。

一 右のような政府の所信は、現在なお変更されていないと考えるが如何。
二 政府は右路線の決定に際して、当該市町村その他地元民の意向をいかなる方法と手続をもつて問い、決定しているものであるか。
三 右に関連して、現に問題となつている一つの事例をここに提示して、政府の見解を詳細に示されたいと考える。
  すなわち、埼玉県大里郡深谷町では、昭和二十三年夏、事前に何らの通告もなく、突如測量が行われたため、関係町民は驚いて町役場に質したところ、町当局は「占領軍の命令だから反対はできぬ」旨を回答したといわれる。なお、その後も本件に関しては一度の正式町会も開催されず、秘密会としての町協議会は一度開催されたが、もとより関係町民の傍聽は許されなかつた。
  しかるに、この時示された工事予定路線は、今日まで変更された模様は全くなく、現在の予定線に反対する強い世論は、その後次第に高まり、第七、第八国会当時には、国会、建設省等へも反対陳情があり、深谷町では町民の町当局の不明焉A非民主的決定への批難の動きも見られるに至つた。元来、現在の予定路線なるものは、現在中仙道沿いに五〇 ―― 二〇〇メートル程度の僅かな間隔で、やや斜めに町を縦貫しているため、市街の構成は四離滅裂に破壊され、また、六〇戸一〇〇世帶を犠牲にするものである。若干路線を変更することによつて容易にこの弊を避け、将来の町の発展にも資し得ることは極めて明らかである。反対論の要旨もおおむねここに存すると思われる。かくて、約一箇年近く町当局と有志並びに犠牲者達との間に紛糾が継続したまま今日に至つている。このため建設工事担当当局も困惑しているものと推測される。
  右事例に関し特に左の諸点について政府の所信を明らかにされたい。
  1 右の場合、道路工事予定路線は、すでに地元民の賛成があつたものと考えて、このまま実施推進することを妥当と考えるかどうか。
  2 予定線を再検討するため、当分の間工事を中止するよう命ずる考えはないか。
  3 若干路線を変更することによつて、円満且つ合理的に事態を解決する方途を考究する意思はないか。
  4 なお、参考のため、かかる場合の犠牲者に対する補償措置の内容を詳細且つ具体的に示されたい。(商店、住宅、農地等に細別して、)

 右質問する。





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