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昭和二十八年十月二十九日提出
質問第二号

 非公務傷病死者等に対する処遇是正に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和二十八年十月二十九日

提出者  八木一(注) 殿

          衆議院議長 堤 康次(注) 殿




非公務傷病死者等に対する処遇是正に関する質問主意書


 さきに、制定を見た戦傷病者戦没者遺族等援護法並びに今次改正恩給法においても、軍務服役中に、傷病死した者のうち、後掲するごとき傷病死者並びにこれらの遺家族に対しては非公務傷病死者のゆえをもつて、なんら措置が講ぜられていないのは、施策の欠陥と云うべく、この現状は、すみやかに是正され、国家のために尽した者に対し、公平な処遇が与えられんことを要望する。
 すなわち、当時国民の義務としてその意志にかかわらず、その有する職場、愛する家族のいつさいを捨て、故国を万里、酷寒、しようれいの地に、又は、近代科学戦のし烈な様相に加え敗戦の惨状による戦場と化した本土において軍役に服したもので、当時の状況は全く勤務上、内外の区別はないと云わねばならぬ。
 しかるに、恩給法といい、本来援護を目的とすべき援護法においても従来の公務傷病死の概念をいたずらに墨守し、あるいはあえて内外の区別を行い、同一条件下における軍役傷病死者に対する処遇について適切を欠き、該当者をして苛烈な経済的苦悩と困難に沈面せしめ、天を仰いで動こくするの現実に放置せしめていることは、まさに国政の責任と云わねばならぬ。
 政府は、これら、いわゆる非公務傷病死者を恩給法上、公務傷病死者として取扱うか、あるいは又、援護法の使命に徹し、すみやかに、これらの者を援護すべく適切なる措置を講ずべきであると考える。ついては次の諸点に関し、政府の所信を質したい。

一 軍隊勤務における結核、胃潰瘍、脳溢血等を公務傷病とみなすこと。
 今次大戦の実情にかんがみ、内外の軍隊を区別せず、また、さきに、これら傷病死者に対し、転免役賜金を下附した例もあり、これを恩給法上の公務傷病者として取扱うか若しくは援護法の対象とすること如何。
二 軍役中、爆風水その他の衝撃を受けたものが、その後、内部疾患を発生した場合のごとき特に因果関係ありと認め、これを公務傷病死とみなすこと。
 近代科学戦が人体に及ぼす影響は、複雑微妙で従来のごとき機械的な判定をもつてしては、実情に副わないものが多分に存する。
 よつて、現行取扱上の因果関係を拡張するか、又は、これを法令上明らかに規定すること如何。
三 終戦の詔勅前後における自決を公務死亡とみなすこと。
 これらの者は、当時の厳正な軍律及び特異な環境の下に、軍人の本領として、自から生命を断つたものであり、これらに対しても前記同様の処遇を講ずべきであると考えるが如何。

 右質問する。





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