質問本文情報
昭和二十八年十二月十一日提出質問第一号
常盤相互銀行不正融資に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和二十八年十二月十一日
提出者 松※(注)忠久
衆議院議長 堤 康次※(注) 殿
常盤相互銀行不正融資に関する質問主意書
常盤相互銀行上野支店と取引のある台東区新坂本町八番地高千穂交通株式会社々長片山満治に対し、常盤相互銀行は、二口にて三百七十万円を貸付け、正式利子日歩三銭のほか過去六箇月にわたり月四分の高利の二重裏利子を取つている事実があり、なお、同会社は、常盤相互銀行に(一口百万円也の無尽を四十口昭和二十七年七月より)総額四千万円也の契約があり、内十二本の給付を受けたるも、本年十月十五日に一本、十一月十五日に一本計二口で二百万円也の給付を受けられるにもかかわらず、給付を実行せず、そのため事業にさてつをきたし、年末を控え六十人の職員をかかえて非常な苦境に立ち至つているが、いやしくも大蔵省が監督する正当な金融機関が、かかる不正な融資をなし中小企業者を苦しめているのは誠に寒心に耐えない。
相互銀行は、中小企業の専門機関として政府預託金等も大幅に注入されているにもかかわらず、やみ金融会社と同じ行為を行う悪らつな不正業務を行つて善良なる業者を泣かせるようなかかる行為に対し、大蔵省は如何なる取締並びに監督権を発動するか政府の責任ある答弁を要求する。
中小企業金融の円滑化に対する政府の今後の施策に関し、あわせて解答を煩したい。
右質問する。