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昭和二十九年五月十五日提出質問第一九号
駐留軍キヤンプ内よりの汚水排出によるでん粉汚損等の被害に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和二十九年五月十五日
衆議院議長 堤 康次※(注) 殿
駐留軍キヤンプ内よりの汚水排出によるでん粉汚損等の被害に関する質問主意書
一 東富士演習場ミドルキヤンプ内の水洗便所等より排出される汚水が、昭和二十六年十月以降附近の芹沢川へ流出せしめているため、下流において原里村農業協同組合の経営に係るでん粉工場の用水が汚濁し、製品であるでん粉の品質低下はもちろん、利用並びに販売価値がほとんど皆無に近い状況にあつて、でん粉工場は、その経営崩壊の寸前に到来し、さらに原里村近傍の農民は、でん粉の原料である甘しよの販路縮減によつて農民経済に大打撃を受けており、基地の農業経営に由々しい問題をじやつ起している。
1 これが将来根本的な打開策を早急に具体化し、かかる損害等を未然に防止する防止対策工事を施す必要があると思うが、どうか。
2 なお、昭和二十六年十月以降汚染されたでん粉の損害は、農民を母体とした農業団体である農業協同組合の経営に至大なる打撃を与えているもので、特別損失補償法等の適用措置によつて早急に救済すべきであると思うが、これが、取扱いの具体的措置如何。また、これが損害は、差当り過去三箇年継続的に発生しているものであるから、これが全面補償となるべきであると思うが、如何。
右質問する。