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昭和四十五年五月十三日提出
質問第九号

 アルゼンティン国鉄近代化計画に対する経済技術援助に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和四十五年五月十三日

提出者  (注)崎弥之助

          衆議院議長 (注)田 中 殿




アルゼンティン国鉄近代化計画に対する経済技術援助に関する質問主意書


 本件に関しては、去る三月三十日、衆議院予算委員会において質問を保留し、資料提出をまつて更に事実究明のため質問を続行する予定にしていたのであるが、本国会中ついに予算委員会が再開されず、その取扱いが理事会に一任されたまま閉会されることとなつたので疑問点解明のため本質問主意書を提出するものである。
 目的のためには手段を選ばないというわが国の商社の商談のやり方がエコノミック・アニマルという汚名を国際的に浴びている昨今、海外経済援助や輸出振興の美名の下に、あるいは国益という名において商社がどん欲な私益や利権を追求することは許しえないことである。
 本質問は決してこの商談の不成功、不成立を意図するものではない。むしろこの商談が巨額の政府資金を伴うファイナンスを条件としている以上、一日も早くこの商談がフェアーな軌道にのり、アルゼンティン政府及び国民からひとしく歓迎されるような姿で成功することをねがうがゆえに、わが国の清潔な経済外交政策を内外に明らかにする意味で、政府の明確な御答弁を期待するものである。
一 在ア青木大使はわが国外交の姿勢を正すために過去にとかくのうわさのある政商コステリッツ氏を起用した商談はやらないという主旨の報告をしばしば本省にしているし、三月三十一日の本省宛公電では、本商談は丸紅飯田を窓口とする日本連合が当たつており、コステリッツ氏介在の余地はない旨の報告を行なつているというが、その公電の内容はどうか。もし青木大使の報告が事実であれば、日本政府は事実を見誤つているか、真実を曲げていることになる。
二 ロカ線一・八億ドルの延払い条件について日本政府は内々これの承諾を与えているのか。在京アルゼンティン大使は昨年着任直後に佐藤総理より「一・八億ドルの借款を提供しているのに何故使わないのか」と催促されたように言つているそうであるが、総理はそのことを言明されたのか、もしそうであれば、その条件はどうなつているか。
三 アルゼンティン大統領は国鉄近代化プロジェクトに直流電車の国産化を条件としているが、政府はその国産化に必要なローカルコストについてのファイナンスも考慮しているのか。
四 アルゼンティン調査団の訪日予定はどうなつているのか。この調査団受入れは関係商社がやるのか。
五 丸紅飯田と幹事メーカーは直流完成車ということで部品メーカー及び下請メーカーに一部部品の発注内示、もしくは製造工程への組入れを要求し、生産にすでにかかつているメーカーもあると聞くが事実か。アルゼンティンが条件としている直流電車国産化方針との関係はどうなるのか。
六 本商談協力のため、岸元総理あるいは外相の訪アが考えられているか。
七 現地情報によれば、本件は佐藤総理の指示で全面的なバックアップがあるので、アルゼンティン調査団の来日さえあれば一挙に解決するはずであり、昨年の総選挙に際しても十分な手当がされているということを関係商社の幹部が豪語しているというが、かかる言動は黙過することはできないと思う。この点は日本の名誉のためにも徹底的に究明され、その責任の所在を明確にされたい。

 右質問する。





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