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昭和四十六年十二月二十一日提出
質問第七号

 米軍基地に働く労働者の思想・信条調査に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和四十六年十二月二十一日

提出者  寺前 巖

          衆議院議長 (注)田 中 殿




米軍基地に働く労働者の思想・信条調査に関する質問主意書


 昭和四十六年十一月三十日、私は本院社会労働委員会において、米軍基地に働く労働者に、労務契約上日本国憲法と労働法による労働基本権の保障を求める主旨の質問を行なつた。これに対し、原国務大臣は「事情を調査したい」と答弁した。
 日本国憲法、労働法上明らかに問題を含む労務契約はすみやかに撤回すべきものと考え、以下各項にわたり政府の回答を求める。

一 現在、在日米軍基地に就労を希望する者は、「基本労務契約」第一章B節4項により「履歴書」を提出することとなつているが、この「履歴書」の様式の中に「あなた又はあなたの家族の誰れかが共産党か共産系の団体に今加入していますか、又以前に加入していたことがありますか」との設問がある。
  また「履歴書」の末尾には「どの項目についても、虚偽の記述を行なつた場合は直ちに解雇されること、又は就職申込みが不承認になることもあることを私は承知しています」等の文章が記載され、署名、捺印することとなつている。
  この「履歴書」の思想調査は、日本国憲法第十四条、第十九条、第二十二条及び労働基準法第三条、職業安定法第三条に反し、国民の思想・信条の自由と、思想・信条による差別を否定した均等待遇の原則、職業選択の自由を侵害するものであり、削除すべきものと思うが、どうか。
二 「履歴書」様式中、前記の思想調査項目は、地位協定第十二条5項、基本労務契約前文にある“在日米軍基地の従業員は日本国の法令により基本的権利を認める”との主旨に違反するものであると思うが、どうか。
三 「履歴書」様式中、前記の事項を理由とした解雇、又は採用の拒否が行なわれる場合は、日本国憲法、労働法に反するものとして無効であると思うが、どうか。

 右質問する。





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