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昭和四十八年二月二十六日提出質問第三号
都市計画道路環状二号線に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和四十八年二月二十六日
提出者 原 茂
衆議院議長 中村梅吉 殿
都市計画道路環状二号線に関する質問主意書
昭和二十一年三月二十六日付「戦災復興院第三号」として東京港竹芝棧橋から赤坂アメリカ大使館に通ずる幅百メートルの都市計画道路が計画決定された。当時マッカーサー道路と称された道路である。
その後、昭和二十五年三月シャープ勧告に基づき百メートルの幅員は四十メートルに縮小され、さらにその後国道一号線の歩道を削り、道路幅を広げることで竹芝棧橋から国道一号線までの区間は政令により計画路線からはずされ、皇居を中心にこれをとりまく環状二号線として線引きされた。
そして新橋四丁目から愛宕下通りを経て虎の門病院前から溜池に至る区間はすでにある各道路に関係なく単に地図上線引きされたまま、二十七年間放置されてきたのである。
もちろんこの問題の主体は東京都にある。昨年十一月地元港区議会は路線廃止につき全会一致で決議し建設省並びに東京都に意見書を提出し、現在都議会において審議中である。
ついては次の点について政府の見解を伺いたい。
沖繩の本土復帰により戦後は終つたといわれ、GNP世界第二の経済国に発展した日本の首都東京の中心に、このような幻の環状二号線であるマッカーサー道路が線引きされたまま二十七年間も放置されている実体を政府はどう思うか。
二 さらに重大なことは、この二十七年間なんらの積極的行政指導もないまま放置された地域住民である。あらゆる正当なる私権をじゆうりんされ、へびのなま殺しのごとき状況においやられている。
最近とみに物価上昇とともに土地の高騰が問題となり、政府の施策の最重点がここにおかれている。
先般、田中総理は、千代田区内幸町のNHK本館の敷地問題に関し、深い関心を示し前向きに解決するため努力なされていることも承知している。決断と実行の総理において、つぶさに実情を調査され、国の責任において、直ちに地域住民の正当なる私権を回復させ、具体的なる実害を補償するがごとき諸施策を実行する考えがあるかどうか。
右質問する。