衆議院

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昭和四十九年七月三十一日提出
質問第六号

 文化財保護に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和四十九年七月三十一日

提出者  吉田法晴

          衆議院議長 前尾繁三郎 殿




文化財保護に関する質問主意書


 昭和四十八年五月二十二日福岡県小郡市臨時議会は、西鉄不動産の「みくに野東団地」造成中に発見された、旧石器時代から弥生時代に至る複合遺跡―横隈山遺跡の全部を「採集経済から生産経済に至る時代の村落形態を探る上で全国的にも最大級の遺跡」として保存することを決議した。
 この決議を実現するため、横隈山遺跡を含む「自然と歴史の公園」を作りたいと、小郡市長と市議会議員及び市民代表は、福岡県に陳情するとともに、上京して全面保存のため文化庁の全面指定を陳情した。
 福岡県(教育委員会)は「全面保存のため、市が関係土地の全面買収をしても、国や県の財政的裏打ちはありませんよ」といい、文化庁も「全面保存の例はない」として、最重要部分一号地点の前方後円墳と七号地点のV字環溝貯蔵穴群の二点だけを保存するよう指定をした。
 私は、昭和四十八年八月二十四日衆議院文教委員会において、西日本の古代文化(遺跡・装飾古墳等)保存の方策について質問する機会を与えられた際、その直前「公有地の拡大の推進に関する法律」を審議した経験から、公有地として、公園用地を買収するためには、地方債が認められるではないかと、自治省関係者の出席を求め、文部大臣も文化庁長官の面前でつめ、横隈山遺跡の全面保存を可能にする方法を見出す努力をしたのであるが、文化庁、福岡県の態度は変わらず、全面保存を訴えていた小郡市の関係者も、部分保存に方向転換、発掘された広い複合古墳は次々に削られ、掘り返された赤地の宅地造成中に、二つの丘だけがそびえるかつ好となり、横隈山遺跡を保存するため努力をしてきた「歴史と自然を守る会」小郡支部の支部長などは、これを小郡式古墳≠ニ呼び「お粗末な文化行政を象徴する典型的なシンボル」「保存面積を極限まで切りつめたため、もはや前方後円墳とは言えなくなつた。弱腰の文化財保護行政と開発業者の利益追求の結果生まれた奇形児。」として、文化財の価値が失われたことを嘆いているといわれる。
 文化財保護のため、諸外国のように、国が思い切つた財政措置を講じるなど、国が文化財を保護する政策をとらず、開発業者や、縦貫道路を作る道路公団に、新幹線を敷く国鉄等関係者に、文化財調査費を負担させるために、調査は文化財保護のためではなく、文化財破壊のために行われ(他人の財政負担で文化財調査を実施する。)、国や県の機関は、文化財保護の機関としてではなく、文化財破壊の機関として働く結果となつているのではなかろうか。
 かけがえのない民族の古い文化財保護のため思い切つた措置が講ぜられるのでなければ悔いを千載に残すことを憂い、次のことについて、政府の見解を求めるものである。

1 遺跡調査(装飾古墳の保護その他文化財保護のため)の費用を開発業者に負担させるから、破壊のための調査にしかならぬ。文化財保護のため国が思い切つた予算措置を講ずべきではないか。
2 歴史以前の文化遺跡、特に西日本のそれについて、五年ないし十年計画で全面的調査をし、
「邪馬台国の全貌その他」古代文化の謎を解き全貌を明らかにしたうえ、
(1)永久保存の区域、(2)部分的保存、(3)調査の結果と遺跡を博物館その他に保存する。などの措置を講ずべきではないか。

 右質問する。



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