衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
昭和五十年五月十九日提出
質問第一九号

 飲用向け乳価交渉の促進に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十年五月十九日

提出者  竹内 猛

          衆議院議長 前尾繁三郎 殿




飲用向け乳価交渉の促進に関する質問主意書


 世界的に食糧は、人口増加、異常気象に伴い、非常に不安定な状況におかれており、必要最小限の食糧を自給することは、極めて重大なことである。
 牛乳・乳製品の需要については、食生活の洋風化、高度化に伴い、急速に増大し、国民の食生活に定着している。
 他方、日本国民に動物性食品として欠くことのできない水産資源については、漁獲制限等に伴いますます縮小の傾向にある。
 このような情勢の中で、牛乳・乳製品の自給を図ることは、国民の食糧を確保することであり、極めて重要な政治課題である。
 しかるに、酪農の実態は、酪農家戸数の減少と共に、乳牛頭数も減少に転じ、生乳の生産は酪農史上初めて、四八、四九年と二年間連続して、前年度の実績を下回る酪農危機に陥つている。
 このような酪農危機を打開するため、指定生乳生産者団体は、当面生産者乳価の引上げを行い、低落傾向に歯止めをかけたいとしている。
 このため、既に、二月に要求乳価を決め、政府に対しては、加工原料乳保証価格の引上げと、乳業者に対しては、飲用向け乳価の引上げをそれぞれ要求し、加工原料乳保証価格については、政府が四月一日より、一四・七%の引上げを行つている。
 他方飲用向け乳価については、取引当事者の交渉に任されているが、生産者の度重なる強い値上げ要求にもかかわらず、乳業者は財源難を理由として、一切応じていないのが実態である。
 これをこのまま放置しておれば、酪農に見切りをつけ、酪農家の離脱が続出し、我が国酪農が崩壊することは明らかである。
 よつて、政府は、以上のごとき実態を十分勘案し、現在紛争状態に入りつつある飲用向け乳価交渉に対しどのように対処しようとしているのか質問する。

一 加工原料乳保証価格を、四月一日より、一四・七%値上げされているが、値上げした要因は何か。
二 生乳の円滑な流通を図るため、飲用向け乳価と、加工原料乳保証価格との適正な価格バランスは、どの程度に考えているか。
三 飲用向け乳価交渉は、二月以来既に四箇月を経過しようとしているが、このまま放置すれば紛争状態に陥り、生乳並びに牛乳の生産流通上において、重大な障害が出て、社会問題化が懸念されるが、政府はこれをこのまま、放置するのか、又は、行政指導するつもりか、どうか。
四 各都道府県に、指定生乳生産者団体が設立されてからは、その連合体である、中央機関が、生乳取引上の指導を行い、さらに、各乳業者に対する乳価交渉は、各指定生乳生産者団体より委任を受けた者(全国指定団体乳価対策委員会)が行つており、毎回交渉は長期(半年以上)にわたつて難航しているのが実態である。
  このため、上記の者が酪農振興法第二四条による調停又は、あつせんの項の対象者となり得るか、又なり得なければ、交渉の実態に合わせて、改正する意志があるのか。
五 生乳は、毎日生産され、かつ腐敗しやすく、長期保存が困難な性質をもつているため、生産者は、取引上極めて、不利な立場におかれている。特に、自由取引となつている飲用向け原料乳に対し、この取引上の不利を取除くため、いかなる措置を考えているか。

 右質問する。





経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.