質問本文情報
昭和五十一年十月十二日提出質問第三号
伊達火力パイプラインに関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和五十一年十月十二日
提出者 岡田春夫
衆議院議長 前尾繁三郎 殿
伊達火力パイプラインに関する質問主意書
去る五月二十二日、伊達火力パイプラインに関する質問主意書を提出したところ、六月四日付をもつて政府からの答弁書による回答があつた。政府からの答弁書を検討したところ、いくつかの点において不明確で納得できないことがあり、再度質問主意書を提出するものである。
伊達火力パイプラインをめぐる問題の重大性と緊急性にかんがみ、速やかに政府見解を明らかにされたい。
また、同審査結果判定のための学識経験者の意見を聴取する制度上の裏付けはなにか。
学識経験者の氏名、人数、専門分野を明らかにされたい。
二 政府答弁書「第五項」によると、地下水脈に関する水文学的特性について「整備することとしている」とあるが、北海道電力株式会社の「伊達パイプライン設置に係る環境保全対策」(昭和五十一年五月)資料編には、それらを欠いたまま北海道庁に提出している。調査結果が出ないうちに対策が完了していることになるが、これは通産省の行政指導によるものか。
三 政府答弁書「第六項」で「パイプラインの安全性は消防法で規制され、電気事業法第四十八条の技術基準には、パイプラインは含まれない。」としているが、電気事業法第四十八条の技術基準の本旨はなにか。
また当該パイプラインは、施行規則第三十一条別表第二の施設であるが、施設の安全性という最重要問題に関して、電気事業法が技術基準を欠落させている理由はなにか。
四 環境庁長官は、六月四日の閣議で「伊達パイプラインの資料を通産省から取り寄せて、石油パイプラインの環境基準を作成する」旨の発言をしたと報道されている。(六月五日読売新聞)右の長官発言は環境庁設置法第六条第二項から第五項のいずれかに基づく権限行使と考えてよいか。
本質問主意書「第二項」でも述べているように地下水脈に関する調査(流向、流速、地下水層厚)など、必要な資料を欠いたまま「対策」が策定されていることは環境庁設置法の趣旨からみて妥当性を欠くと思うがどうか。
五 政府答弁書「第六項」によれば、当該パイプラインの安全性は消防法で規制されることとなつているが、伊達、室蘭両市は設置許可者である北海道知事との間で十分な情報交換を行つたか。然りとすればその日時、場所、参加者、内容を示されたい。
六 伊達火力パイプラインに関してルート沿線農家は、農業活動の今後の発展に大きな危機の念を抱いている。
パイプラインの環境審査に当たつて、これが農業、農作物などに与える影響についてどのような調査がなされたのか。
また、この調査を行つたのはいかなる調査機関であるか。この調査結果の判定はいかなる学識経験者によつてなされるのか。その氏名、人数、専門分野等を明らかにされたい。
右質問する。