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昭和五十一年十一月四日提出
質問第一八号

 由良川改修に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十一年十一月四日

提出者  寺前 巖

          衆議院議長 前尾繁三郎 殿




由良川改修に関する質問主意書


 京都府北桑田郡美山町三国岳を水源地とする由良川は、流域面積一八八二平方キロメートルを有し、幹線流路一三五キロメートルの京都府北部最大の一級河川である。この由良川流域には約二五万人の住民が生活しており、その人々にとつて由良川は「母なる川」である。
 由良川は、祖先の代から豊かな農業用水、飲料水を供給し、緩やかな流水は、土地を潤し、また運河として人々の生活を潤している。しかし、鉄道や道路の建設、山林の乱伐は、由良川をして洪水をもたらし、大正十二年には天田、何鹿、加佐三郡二町村長は、「由良川改修期成同盟」を結成し国会請願を行つた。
 その後も幾度かの請願、陳情を繰り返したにもかかわらず、国は戦争を理由に、この要求に答えなかつた。
 戦後昭和二十二年、建設省は、由良川の改修についてはその工事を直轄とし、築堤中心の治水対策を講じ始めた。その後、上流におけるダム建設が計画され、京都は昭和二十八年工事に着手し、三十五年完成した。
 これら築堤やダム建設は、上流、中流地域では洪水を軽減し、これまでの洪水地へ工場や住宅を進出させることとなつた。
 しかし下流地域(福知山、大江町、舞鶴市)では、集落や農地が、洪水の度に河道となり、遊水地と化している。こうした状況のもとで近畿地方建設局は、「由良川総合計画」を作り、昭和四十一年からは、国が直接由良川を管理することにし、三ヵ年計画で一三億四千万円の予算が組まれることとなつた。続いて治水五ヵ年計画、新治水五ヵ年計画を作り、一定の治水対策を講じてきているが、わずかの予算では、基礎的な改修工事さえも十分に行えておらず、前述の下流地域における掘削築堤、河道修正、河口しゆんせつ、内水処理などがはかどつておらず、約九千平方キロメートルのはん濫面積を持つている。
 私は、一昨年来数度にわたり、建設省の担当官とともに、つぶさに現地を踏査してきたし、沿線住民からも何度も陳情を受けた。最近では、本年六月、近畿地方建設局の担当官と、本院建設委員会委員の浦井洋議員とともに現地に赴き、綾部市、福知山市、大江町の理事者や沿線住民代表らと視察、陳情を受けたところである。そして、去る九月二日には福知山市において“由良川シンポジュウム”(京都自治問題研究所主催、京都府及び沿線四市入町協賛)が行われ、水害をなくし、“住民のくらしと地域の発展に貢献する母なる由良川を”との決意を固めあつている。
 そこで私は、以上のような経過と現状を踏まえて、由良川改修問題について、次の事項について質問するので明確なる答弁をいただきたい。

一 由良川の治水、利水については、国及び関係自治体さらに研究機関、住民が、えい知を集めて総合的、抜本的な計画を作り上げることが重要であり、そのために建設省が率先してその任務を果すべきであると思うが、この点についてどう考えるか。
二 当面の問題として下流の治水のために、基礎的な対策を進め、次の五ヵ年計画では少くとも現行の倍増である年二〇億円以上にし、改修の促進をはかるべきであると思うが、どうか。

 右質問する。





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