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昭和五十二年十一月二十四日提出
質問第一七号

 大阪国際空港の拡張計画に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十二年十一月二十四日

提出者  土井たか子

          衆議院議長 保利 茂 殿




大阪国際空港の拡張計画に関する質問主意書


 昭和三十四年七月三日、空港整備法により第一種空港となつた大阪国際空港は、その後拡張計画(昭和三十七年十二月三日運輸省告示第四三九号)が実施され、昭和四十五年二月五日、三千メートルのB滑走路を使用開始するに至つた。しかし、この拡張計画は、当初から問題をはらんでいたのであり、その後の展開は事態の重大性を浮きぼりにした。
 そこで、以下、大阪国際空港のかかえている問題について、飛行場行政に職責を有する運輸大臣の御見解をたまわりたい。

一 右拡張計画の実施に当り、用地取得を図るため土地収用法による事業認定を受けられているが、この事業認定申請書に添付された事業計画書に関連して、以下の点を明らかにされたい。
 (1) 「空港施設の概要」の中で、現有施設として面積・着陸帯・滑走路・誘導路・エプロン及び航空保安施設が表示されているが、これらの施設が空港施設の土地収用法上の法定要件を構成するものとしてよいのか。その他空港施設の土地収用法上の法定要件(空港機能を確保するに必要不可欠の施設の全種類)は何か。
 (2) 同じく増設する航空保安施設として、計器着陸装置ILSなど無線誘導施設が含まれているにもかかわらず飛行場灯火が含まれていないのは如何なる理由によるのか。滑走路を増設しても、これにかかわる飛行場灯火は設置しないということなのか。
 (3) 右において、実際には飛行場灯火が設置されたのであれば、その種類をすべて示されたい。
 (4) 例えば、進入灯を欠いたまま計器着陸装置ILSのみで計器進入着陸することは、航空法令上可能か。可能とすれば如何なる場合で、その運航にかかわるカテゴリーは何か。
 (5) 「事業の施行を必要とする公益上の理由」の中で、本事業の完遂による経済発展のみが主張されているが、何故経済発展のみに公益性があるとしていたのか。
 (6) 右において現在までにどのような経済発展が関係地域にもたらされたか。
 (7) 右における結果として、どのような損害が関係地域にもたらされ、関係者がどのような支出を強いられたか。
 (8) 「起業地等を当該事業に用いることが相当であり、又は土地等の適正かつ合理的な利用に寄与することになる理由」の中で、「平行滑走路の場合には同時使用が可能であり」とあるが、単に滑走路が平行であるからという理由だけでただちに同時使用が可能となるとは限らないので、平行滑走路が同時使用可能なのは如何なる場合か。本件に即して具体的に飛行コースを図示され、航空管制上のセパレーション等を含めて説明されたい。
二 B滑走路の供用開始が大阪国際空港の処理能力(許容限界発着回数)にどのような効果をもたらしたかについて
 (1) 昭和三十六年から昭和五十一年までの各年間の定期便の発着回数(実績)をジェット機とプロペラ機及び国際線と国内線の別に表示されたい。併せて、同じく定期便の乗降客数を国際線と国内線の別に示されたい。
 (2) 昭和三十六年から現在に至る処理能力がどのように変更されてきたのか、一時間当り、連続する三時間当り及び一日当りの各許容限界発着回数を用いて示されたい。
 (3) 右において、航空機騒音による運行時間制限は処理能力にどのような影響を与えたか。具体的に示されたい。
 (4) 滑走路の使用方向は風向により定められるが、大阪国際空港では、主滑走路は32L/Rか、14L/Rか。また、主滑走路の使用率は何パーセントか。
 (5) 滑走路32L/Rと同じく14L/Rとでは、処理能力に差が出るか。出るとすればどのような差か。例えば、一日32L/Rのみが用いられる場合と、同じく14L/Rのみが用いられる場合とでは、処理能力にどのような差が出るとしているのか。
 (6) 滑走路14L/Rからの進入着陸のためサークリング・ガイダンスが設置されているが、
   (イ) 設置の時期、目的及び設置基準を示されたい。
   (ロ) 処理能力にどのような貢献をなしたのか。
三 右拡張計画にかかわる用地の強制取得のため大阪府に申請された行政代執行は中止されたが、その前提として豊中市勝部地区関係者、全日本農民組合大阪府連合会、運輸省航空局長、大阪府知事及び豊中市長の間で昭和四十一年十二月二十一日にかわされた覚書の中で全日本農民組合の要求に対して運輸省見解が示されている。この運輸省見解について、以下の点を明らかにされたい。
 (1) この運輸省見解については、航空局だけではなく、運輸省が責任を負うものとしてよいのか。
 (2) 「大阪国際空港を含む民間空港の公害対策について、従来積極的な施策を取り得なかつたことは誠に遺憾である」と記されているが、
   (イ) それまで積極的な施策を取り得なかつた原因及び理由は何か。
   (ロ) 積極的ではないとする施策は、それまでどのようなものが行われていたのか。
   (ハ) 施策が積極的であるかないかはどのような基準により区別されるのか。
   (ニ) 民間空港で戦後最初に航空機騒音による公害問題が発生した飛行場(空港)名、時期及び原因につき示されたい。
   (ホ) 昭和三十五年十二月二十六日に東京国際空港騒音対策委員会の初会合がもたれているが、右委員会を開催するに至つた経過を理由、原因を添えて示されたい。
   (へ) 右委員会の構成メンバーと委員会設置の根拠規定を示されたい。
   (ト) 右委員会はその後どのように推移したのか。その展開の内容を示されたい。
   (チ) 昭和三十八年十月一日に東京国際空港では深夜、早朝のジェット機が発着禁止となつたが、そのいきさつを明らかにされたい。
   (リ) 右(ホ)〜(チ)におけるが如く、東京国際空港では本件拡張計画の告示前後において、既に航空機騒音問題が顕在化し、運行時間制限による空港機能障害の発生をみていたが、これらの事態は本件拡張計画にどのように斟酌されたのか。
 (3) 「今後は立法措置を含めて積極的に取組む所存である」と記されているが、
   (イ) 本件拡張計画は「立法措置を含めて積極的に取組」まれない限り、その計画本来の目的を達成し得ないものだつたのか。
   (ロ) ところで「立法措置を含めて積極的に取組」まれた施策の内容を具体的に示されたい。
   (ハ) 右施策は、本件拡張計画の本来の目的が達成されるのにどのような貢献をなしたのか。
 (4) 「将来関西地区に第二空港の建設が必要と考えられるので、昭和四十二年度より所要の調査を進めることとしており」と記されているが、
   (イ) 「第二空港の建設が必要」とされるのは、全日本農民組合の主張する「国際空港を速やかに移転すべきである」を受けてのことか。その他、その理由を示されたい。
   (ロ) 昭和四十二年度より行われたはずの第二空港建設に関する調査の具体的な内容及び講じられた予算の措置を現在に至るまで年度毎に明らかにされたい。
 (5) 「大阪国際空港の立地条件、規模等にかんがみ、一定限度以上の騒音の規制を行う措置を講ずる」と記されているが、
   (イ) 現在までどのような騒音規制が行われたのか、その内容を個別具体的に示されたい。
   (ロ) 右において騒音規制を行うべき「一定限度以上の騒音」にいう「一定限度」の具体的な内容を示されたい。
   (ハ) 何故、一定限度以上の騒音の規制を行わねばならない拡張計画を実施するのか。
 (6) 「夜間飛行の規制強化については、種々の難点もあるが、今後とも努力する」と記されているが、
   (イ) 「種々の難点」の具体的な内容を示されたい。
   (ロ) 現在までに努力されたはずの規制強化の具体的な内容及びその結果について示されたい。
四 大阪国際空港に関連して現在までに発生した国際的な紛争について時期、相手国、原因、経過、結果などの具体的な内容を明らかにされたい。

 右質問する。





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