質問本文情報
昭和五十三年五月三十一日提出質問第四四号
出稼労働者の職場の安全衛生確保に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和五十三年五月三十一日
提出者 栗林三郎
衆議院議長 保利 茂 殿
出稼労働者の職場の安全衛生確保に関する質問主意書
出稼労働者をめぐる職場環境の改善は依然として進まず、多くの事故が発生している。よつて出稼労働者の職場環境の改善と安全衛生の確立は、重大な問題となつている。
ここに質問として取り上げた、昭和五十年十二月二十日、神奈川県高座郡寒川町宮山三三一六番地所在の日本ポリテク株式会社の工場内に発生した出稼労働者、秋田県仙北郡太田町横沢字平内清水一九ノ一、佐々木市郎氏(昭和十八年三月二十九日生)の死亡事件は、その死因が、工場が使用するイソシアネート(IC)の中毒による疑いが濃厚であり、当時、この工場における労働基準法及び労働安全衛生法等の諸法則に基づく安全衛生体制が確立されていたかどうか、極めて重大である。よつて当死亡事件の次の事項について質問する。
二 藤沢労働基準監督署又は神奈川労働基準局が、昭和四十九年十二月頃、日本ポリテク株式会社に対しMDI(メチレンジイソシアネート)を使用する作業について、事故防止のための措置をとることを指示したことがあるか否か。
あるとすれば、その内容及び指示を行つた理由。
三 佐々木市郎氏死亡直後、藤沢労働基準監督署より「災害時監督」をして、作業環境の改善を指示されたと思うが、どうか。事実とすれば、その内容及び実施状況を明らかにしてもらいたい。
四 藤沢労働基準監督署及び神奈川労働基準局が昭和五十一年六月頃、日本ポリテク株式会社の工場の作業環境等について調査を行つたと聞いているが、事実か。事実とすれば、その調査の内容と結果について。
五 右調査の結果、日本ポリテク株式会社に対してMDI等を使用する作業の改善について指導又は勧告をしたことがあるか否か。
あるとすれば、右指導又は勧告の内容及びその理由について。
なお、右調査、指導、勧告を実際に担当した係官の氏名、地位等について。
右質問する。