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昭和五十三年十月四日提出質問第三号
米軍偵察機墜落事故の原因と責任の糾明に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和五十三年十月四日
衆議院議長 保利 茂 殿
米軍偵察機墜落事故の原因と責任の糾明に関する質問主意書
昨年九月二十七日、厚木飛行場を飛び立ち空母ミッドウェーに帰艦する途中横浜市緑区荏田町に墜落し、幼児二人の生命を奪い、多数の重軽傷者を出し、住民に大きな被害を与えた米軍ファントム偵察機の墜落事件からすでに一年余が経過した。
この墜落事件の原因を糾明する日米合同委員会の事故分科委員会は、「アフターバーナーライナーの組み付け不良」による事故であることを明らかにしたが、その原因である装着不良は「合衆国本国にある中間レベルの整備中に生じたものである。」とするにとどまり、明らかな人為的ミスであるにもかかわらず、具体的な業務上の責任の所在は未だ明らかにされていない。
事件から一年余を経た今日に至つてもなお、事故の主原因である「組み付け不良」を引き起こした部隊名(あるいは工場名)と責任者、その日時、場所が明らかにされず、その関係者にどのような処分が行われたのかも不明のままであることは極めて遺憾である。政府がこの点について積極的に努力して事故の原因と責任を徹底的に糾明することは、今なお病床にある被害者を始め関係被災者、市民の切実な要求である。
他方、この事件を契機に厚木基地撤去の要求が一段と高まつている中にあつて、最近同基地への米軍機の離着する回数は逆に増加し、超低空飛行などの違反事件、ジェット機尾翼一部の落下、燃料放出事件なども相次いで発生し、基地使用についての日米合同委員会の合意事項に基づく協定(厚木飛行場周辺の航空機騒音軽減措置協定)の違反は日常的に発生している。このような状況のもとで同基地にかかわる飛行制限を強化する内容を中心に、協定の改定が強く望まれている。
これを早急に実現することは、急激な都市化、人口増加が進行している同基地周辺市民にとつて切実な要求となつている。
よつて次の事項について質問する。
二 事故の原因となつた「アフターバーナーライナーの組み付け不良」を引き起こした部隊名(あるいは工場名)と責任者、日時、場所について米国側から情報を受け取つているか否か。現在も不明の場合にはそれを明らかにするためどのような措置をとるのか。
三 米軍の厚木基地使用の現状の早急な改善、規制強化とくに日米合同委員会の合意事項に基づく厚木飛行場周辺の騒音軽減措置協定の改定について政府はどう考えるか。
右質問する。