衆議院

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昭和五十五年三月十二日提出
質問第八号

 豪雪地帯の施策に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十五年三月十二日

提出者  斎藤 実

          衆議院議長 (注)尾弘吉 殿




豪雪地帯の施策に関する質問主意書


 自然条件の厳しい豪雪地帯は、地域の開発はもとより生活環境の整備が立ち遅れており、特に本年の豪雪は交通・産業・医療など住民生活に重大な影響を及ぼしている。このような厳しい立地及び気象条件下にある豪雪地帯の住民の生活向上を図るとともに、これらの地域の振興を積極的に進めることにより国土の均衡ある発展を推進する必要がある。
 こうした観点から、豪雪地帯の諸施策を推進するに当たり、基本的事項並びに当面する問題点について政府の見解を問うものである。

一 現行法においては、豪雪対策事業計画の策定段階で地方公共団体が参画することが制度上明確になつていない。このため、地域の状況に適応した地方公共団体の施策が事業計画に必ずしも反映されているとは言えない状態である。
  従つて、地域の特性に応じた開発と施策並びに地域の実情に即した雪害防除等の施策が講じられるよう過疎地域振興計画策定におけるように、道、府、県及び市町村による豪雪地帯振興計画策定の制度を新設すべきであると考えるがどうか。
二 豪雪地帯対策基本計画に基づいて関係各省庁がそれぞれ事業計画をたて事業を実施しているが、その事業実績が掌握されていない。
  今後の豪雪地帯の計画的事業推進を図るためにも、事業実績を掌握すべきであると考えるがどうか。
三 豪雪地帯の振興に関する事業については、地方債をもつてその財源とすることができるよう「豪雪対策事業債」制度を設ける必要があると考えるがどうか。あわせて、その償還財源の地方交付税上の補てん措置を講ずるべきであると考えるがどうか。
四 特別豪雪地帯の指定基準の二号要件「積雪による住民の生活の支障」については、冬期間の強烈な季節風がもたらす「地吹雪」現象によつて、道路交通及び鉄道網が分断されてまひ状態になり、住民生活に著しい支障をきたしている。
  このような特異な気象条件についても、指定の対象となるよう基準の見直しを図るべきであると考えるがどうか。
五 現行の特別豪雪地帯の指定は、その一号要件の「積雪の度」の基準に、地吹雪現象等による積雪が算入されていない。
  また、二号要件についても、地方自治体の努力あるいは地域住民の協力によつて除雪が行われ、交通途絶の要件に該当しないことが少なくない。これらを理由に未だ指定されない市町村が数多い。
  こうした状況は、豪雪地帯対策特別措置法の目的に照らしてもそぐわないものであり、早急に地域の実情に即応して、指定の見直しを行うべきであると考えるがどうか。
六 特別豪雪地帯の指定については、同じ条件にありながら指定されている市町村と指定されていない市町村があり均衡を欠いていると思われる。例えば、北海道後志支庁の余市町、寿都町、島牧村、泊村及び空知支庁の砂川市、歌志内市、上砂川町、奈井江町の八市町村は、現在、特別豪雪地に指定されている隣接市町村の積雪及び交通途絶の状況、住民生活の支障の度合いなども特に差異が認められないと思われるが、これら八市町村が指定されない理由は何か。
七 前記のうち、砂川市、歌志内市、上砂川町、奈井江町は、総理府告示第十四号(昭和五十四年四月三日)による補助制度の指定地域からはずれていることを不服として、行政不服審査法に基づき異議申し立てを行つているが、審査の進ちよく状況はどうか。
  また、指定の見直しを行うべきであると考えるがどうか。
八 豪雪地帯においては、雪害防除、家屋の維持修繕費や暖房用燃料など積雪寒冷のために必要不可欠な経費の支出を余儀なくされ家計費が増大している。しかも、税制上十分な考慮がなされていないために住民の税負担は過酷なものとなつている。
  従つて、豪雪地帯の特殊事情を考え、所得税、住民税における雪寒控除制度を早急に創設すべきであると考えるがどうか。
九 現行の豪雪の場合における雪下ろし費用等に係わる税の雑損控除制度は、年間所得の一〇パーセントを超える損害が発生した場合に、超過部分を所得から控除する取扱いになつているが、これは実情に合わないため、この割合を引き下げるべきであると考えるがどうか。
十 山村、へき地などの条件下にある豪雪地帯については、事業用資産の買い替えの場合における譲渡所得の課税及び事業用資産に対する特別減価償却等の税制上の措置を講じ、他地域との格差是正を図るべきであると考えるがどうか。
十一 雪害による住民の支出経費は非常にぼう大であり、例えば新潟県小千谷市における五十一年十二月から五十二年四月までの一冬間の調査結果によると、除雪費、雪囲い費、暖房費、消雪パイプの負担金などに用した経費は、一世帯当たり約三十万九千円にもなつている。
  しかし政府は、これら雪害に関する実態を掌握していない。
  従つて、雪害による住民負担の実態を明らかにして、行財政措置の基礎資料とするためにも、実態調査を実施すべきであると考えるがどうか。
  さらに、地域経済に及ぼす影響の分析及び住民生活の環境に対する調査研究を進める必要があると考えるがどうか。

 右質問する。



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