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昭和五十六年三月三十一日提出
質問第二二号

 各省庁下にある現業・公社の直営病院に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十六年三月三十一日

提出者  小沢貞孝

          衆議院議長 福田 一 殿




各省庁下にある現業・公社の直営病院に関する質問主意書


 行政改革・財政再建が我が国の最大の問題になつているが、各省庁下にある現業・公社の直営病院の経営状況は常軌を逸した赤字経営である。
 第二次臨調の討議をまつまでもなく直ちに次表の直営病院を独立又は売却し、年間約六〇〇億円の節減を図るべきである。更に、仮に民間に売却するならば膨大な収入が得られ、前記の節減分と合わせて一、〇〇〇億円以上の財政再建に寄与することができる。例えば、膨大な赤字を抱える国鉄では全国三八カ所の鉄道病院を所有し、その収支状況は同表のごとく昭和五十四年度で二四四億円の赤字である。
 これらの直営病院は職域病院として始まつたわけであるが、当時と比べ一般病院がこれ程発達した現在、毎年赤字を増やしながら保持する必要があるだろうか。
 多くの患者は通院に便利な身近の病院を選択している。現に、一般医院に比べ直営病院の患者数はすこぶる少ない。その上、医療費計算の基本となる一点単価も一般と比べすこぶる安く、前記の鉄道病院は一般が十円であるところを七円、大蔵省直営の印刷局・造幣局病院は一点単価六円である。各病院の収支は同表のとおりであるが、この造幣局病院などは支出が収入の九倍である。

直営病院の収支現況昭和五十四年度

 この赤字解消策としては、第一に民間に売却して全く各省庁下にある現業・公社から切り離すことであり、第二に国家公務員共済病院や警察病院のごとく一般に開放することである。両病院とも経営の健全化がなされ、独立採算で十分に経営できる収支状況である。これは一般開放して多くの患者を集めているのが最大の理由である。(次表参照)

国家公務員共済組合病院と警察病院の収支現況昭和五十四年度

 医術の向上は、多くの患者に接することにあるわけで、現在の直営病院の抱える「患者が少ない ― 医術が低下する ― 一層患者が少なくなる」という悪循環を、一般開放することで断ち切れるのではないだろうかと考える。
 従つて次の事項について質問する。

一 赤字解消のために、各省庁下にある現業・公社の直営病院を民間に売却すべきだと考えるがどうか。
二 直営病院を当該の省庁・公社から切り離し、独立採算にして経営の健全化を図るべきだと考えるがどうか。
三 そのためにも一般に開放すべきだと考えるがどうか。
四 一般の患者とのかね合いで、職員・家族の一点単価を特例を除き、職員・家族とも一般の患者と同じくすべきだと考えるがどうか。
  なお、総じて各病院とも職域の中で閉鎖された経営であるから、医術レベルが低く、職員の利用率も低い。経営の健全化のために直営病院を廃止したり、独立させても決して職員の福利厚生面で後退したことにならないと思う。

 右質問する。





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