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昭和五十六年四月十七日提出質問第三〇号
政府関係機関等の工事における投資の無駄に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和五十六年四月十七日
衆議院議長 福田 一 殿
政府関係機関等の工事における投資の無駄に関する質問主意書
政府・公社・公団等の工事は民間の工事と比べて工期が長くかかつている。この間に投資した金利が膨大な額となつており、大変な無駄が生じている。
民間にあつては、例えば発電所等の工事にしても、投資を始めれば、完工までの日時をいかに短縮し、金利負担を軽減するかに腐心している。一例として、私の地元である国鉄中央線岡谷 ― 塩尻間の工事をみると、昭和四十一年三月線増ルート発表、昭和四十八年三月着工から既に九年目であるが、今年四月十二日の公表によると昭和五十八年完成予定と遅延された。本工事の完工まで総工事費五一〇億円に対し、金利は八%として約二一六億円となり、総工事費の四割に当たる。三・五%の利子補給があるものの資金が無駄に長く眠つていることには変わりがない。(別表一参照)
また、本年完成した道路公団の中央道伊北 ― 小渕沢問の工事は、投資開始の昭和四十六年から完成の本年三月まで十年かかつている。その間の金利は八%として三七六億円となり、総工事費一、〇四四億円と比較してあまりにも膨大である。
高速道には、道路特別会計及び自己資金の投入があり、実際の金利は平均六・四%程度となるが、無駄に長く資金が眠つていることには変わりがない。(別表二参照)
農林水産省関係の工事をみると、県営灌排事業は完工までに平均十五年、県営圃場整備事業は平均十・五年、広域農道事業は平均十五年、畑地灌漑等は実に十六・八年という状況である。
これ等の工事は種類によつては、工事の完了まで供用できないものもある。
以上挙げたことはごく一部であるが、工期が長いことは国民からみれば驚く程の資金の浪費である。
行革論議の盛んな時だけにこの点について質問する。
二 第二次臨時行政調査会における検討テーマとすべきではないか。
右質問する。
(別表一) 中央東線岡谷 ― 塩尻間線路増設工事年度別投資と金利

(別表二) 中央道伊北 ― 小渕沢間工事年度別投資と金利
