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昭和五十七年四月九日提出
質問第九号

 鉄道公安職員制度の廃止又は警察への移管に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十七年四月九日

提出者  小沢貞孝

          衆議院議長 福田 一 殿




鉄道公安職員制度の廃止又は警察への移管に関する質問主意書


 国鉄は昭和五十六年度において七千三百億円にのぼる国からの助成金を受けながらも、一兆千四百億円の純損失を計上し、五十七年度は同額の補助のうえ一兆四千億円の赤字が予想されている。
 経営全体について必要な制度は残し、問題があれば正すことが急務であると考える。
 鉄道防護並びに旅客、荷主及び公衆保護の業務を行つている鉄道公安職員制度がある。現在公安職員は約三千百名(公安職員二千九百名と非現業公安関係職員二百名)であるが、これ程の赤字を抱え国民の批判が集中しているとき、運賃から支出すべき経費を節減することが経営上の最大視点でなければならない。
 私は、鉄道公安職員制度は大いに検討すべきだと考える。明治以来の旧態依然とした制度を墨守するような官僚的保守的発想では、現在のように急激に変容していく情勢に対応できない。「外国でも公安職員がいるから」というのは日本型国鉄経営指針とはならない。民間の経営感覚をもつと導入すべきであるが、鉄道公安職員について仮に全廃又は警察に業務委託すれば、人件費(現在三千百名)だけ考えても年間約二百億円(経理局の試算で一人五七〇万円に間接費八〇万円×三、一〇〇)の節減となる。
 鉄道公安職員の業務については次のように考えられる。
鉄道妨害について
 学校等への妨害防止の映画会等啓もう活動については、局や駅の職員並びに保線区員が対応すればよいし、学校等には教育委員会を通じて行うことができる。また、今までのような形だけ考えるのでなくマスメディアを効率的に使用することも必要であろう。
列車警察について
 列車中の問題については司法巡査制度の強化を図り、車掌の業務に入れればよい。また、緊急の時は警察に依頼すればよい。
皇族・貴賓等の輸送警備、爆破関係及び災害関係について
 これらについては、情報力や警備体制から考えても、一般警察の方が適切だと考える。
 公安職員の少ない管理局、例えば釧路(二十二名)、長野(三十二名)、福知山(三十六名)、米子(三十八名)、熊本(二十九名)、鹿児島(三十九名)が挙げられるが、この少数で全体をネットすることは現実に無理がある。
 従つて次に質問する。

一 昭和五十五年三月三日の予算委員会での私の高木国鉄総裁への質問の答弁で、鉄道公安職員制度の見直しを約束しているが、その後どのように取り組んでいるか。
二 国鉄再建の中で鉄道公安職員制度を廃止するか又は警察に移管して、約二百億円の節減を図るべきだと考えるがどうか。

 右質問する。





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