衆議院

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昭和五十七年八月五日提出
質問第二一号

 丸山ワクチン製造承認問題に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十七年八月五日

提出者  草川昭三

          衆議院議長 福田 一 殿




丸山ワクチン製造承認問題に関する質問主意書


 丸山ワクチンについては、昨年の八月十四日に中央薬事審議会から、「提出された資料をもつては、有効性を確認できず、現段階では、薬として承認することは適当でないが、無効と断定するものではなく、引き続き試験研究を行う必要がある。」との趣旨の答申が出され、これを受けて厚生省とゼリア新薬工業の合意に基づく丸山ワクチンの有償治験による供給制度が実施されている。その後も、丸山ワクチンを使用するがん患者はさらに増大し、昭和五十七年七月現在、日本医大付属ワクチン療法研究施設に登録された丸山ワクチン使用患者数は十六万五千八百人に達しており、現に丸山ワクチンを使用中の患者数は五万六千人と、実にがん患者のうち数人に一人は丸山ワクチンを使用しているといわれる。
 他方、篠原一東大教授を代表とする丸山ワクチンの製造認可を求める患者・家族の署名は十六万人にも及び、丸山ワクチンの早期認可と健康保険適用を要望する医師の請願署名は八千人を超えるに至つた。
 がんが我が国の死亡原因の第一位となつた現状のもとで、丸山ワクチンの製造承認は今や焦眉の国民的課題である。
 しかるに、厚生省が現在、丸山ワクチン製造承認問題に対しいかなる姿勢で臨んでいるのか、はなはだ不明確である。
 私は、これだけの治療上の実績を有する丸山ワクチンをいつまでも未承認のまま放置することなく、一刻も早く製造承認すべきであるとの立場から繰り返し質問してきたところであるが、次の事項について質問する。

一 丸山ワクチンの有償治験という患者への供給は、薬事法のたてまえから極めて異例であり、早急に丸山ワクチンの製造を承認し、問題の決着を図り、事態を解消すべきであると考えるが、政府の見解を伺いたい。
二 現在、丸山ワクチンを使用中の患者数が五万六千人もいるということは、丸山ワクチンに対するがん患者とその家族及び担当医師の期待が非常に大きいものであることを物語つている。しかるに、丸山ワクチンの製造が承認されないために健康保険の適用もなく、患者が丸山ワクチンによる治療を受けるために医師探しに苦労し、また、経費の自己負担をしなければならないということは、まことに遺憾である。丸山ワクチン製造承認問題の早期決着を図るため、厚生省は積極的に行政指導をすべきであると考えるが、政府の見解を伺いたい。
三 本年四月十九日付、毎日新聞夕刊のトップ記事で紹介された木本哲夫川崎医科大教授の研究(丸山ワクチンが生体の間質成分の増殖を促がし、がんを抑え込む働きがあることが動物実験で証明され、臨床的にも確認された。)は、丸山ワクチンの薬効のメカニズムを解明し、その有効性を基礎づけるものである。この木本教授の研究結果は、アメリカの権威ある医学研究誌ニューヨーク市立大のマウントサイナイ医学部発刊の「がん発見と予防」六月号で発表されたというが、この木本研究は、丸山ワクチン製造承認の有力な資料となるのではないか。政府の見解を伺いたい。
四 本年五月十一日に、アメリカ合衆国において丸山ワクチンについて、「リボ多糖体を有効成分とする腫瘍免疫療法剤」としてのいわゆる医薬物質特許が認められた。
  その際、アメリカ合衆国特許庁は、特に丸山ワクチンの人体に対する臨床効果を確認するためのデータを追加要請し、特許申請者である丸山千里博士は、服部隆延博士の論文(Chemotherapy 28(2)171、1980)及び中里博昭博士の論文(Saishin Geka(1)97、1980)を提出し、これらの資料が根拠となつて特許権が付与されたいきさつがある(なお、右二論文は、いずれも中央薬事審議会に提出済みのものである。)。
  右に述べたとおり、丸山ワクチンは、アメリカ合衆国において腫瘍免疫治療効果が認められて特許権を与えられたものであるが、このことは、我が国において丸山ワクチン製造承認の審査に当たつても大いに考慮されるべきではないかと思われる。特に物質特許が承認されたということは、丸山ワクチンの医薬品としての規格が確立されたものであることを示すものと考えられるが、これらの点について政府の見解を示されたい。
五 丸山ワクチンの製造承認に至る手続、すなわち、いかなる段階において製造承認についての結論が出されることになるのか、今後の見通しを明らかにされたい。
六 丸山ワクチンに関する中央薬事審議会の答申の中での附帯意見によると、丸山ワクチンの有効性を確認するために、引き続き試験研究を行う必要があるものとして三項目を挙げているが、これらは、他の製造承認済みの制がん剤の場合は認可後に満たされるべき条件とされている例が多いように思われる。
  前述のごとく、丸山ワクチン製造承認の必要性が極めて緊急にして大であることを考えると、厚生省は、今直ちにゼリア新薬工業に現段階で提出できる資料と今後の試験研究の方針を提出させ、それにより製造承認の判断をし、不十分な点は継続して研究させるという措置をとることはできないのか、政府の積極的な見解を伺いたい。

 右質問する。



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