質問本文情報
昭和五十七年八月十四日提出質問第二四号
最近の教科書問題に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和五十七年八月十四日
提出者 有島重武
衆議院議長 福田 一 殿
最近の教科書問題に関する質問主意書
最近、我が国の歴史教科書及びその検定につき、記載事項の関係諸国より抗議の申し入れがあり、政府の対応にもかかわらず、当該諸国民の反発はますます拡大し、国内にも批判の声が高まつている。
政府は可能の限りを尽くし、実効ある国内措置を踏まえて、誠心誠意転禍為福の親善友好の推進をすべきである。
ここに事を国内措置に限つて、次の事項について質問する。
政府は、当然の故をもつて事を省略することなく、文部大臣をして早急にその旨を文書通達して、正式に教育現場に徹底せしめ、かつ、国民にその意を発表すべきであると考える。
しかるに、その挙のないことは、いかなる理由があるのか。
二 他国の指摘を待つまでもなく、文部大臣所管の教科書検定は、その非公開の慣習をもつて国民に不明朗の感を抱かせている。
すでに長期にわたつて各方面より公開を促され、あるいは具体案の提言もあるにもかかわらず、いまだ公開の意を決せず、その方途を検討するにも至らない。
この際、むしろ国内教育界の明朗化のために速やかに検定公開を宣言し、具体的措置を講ずるべきであるが、これをなお行わない理由は何か。
三 検定の周期は法律事項に抵触するものではなく、文部大臣の権限に属する。
この際、著作者の申し出によつては、検定の時期は慣例に拘泥するものではない旨を表明し、実行することは可能である。
しかるに、その挙に出ないのはいかなる理由であるか。
右質問する。