衆議院

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昭和五十八年二月十九日提出
質問第六号

 自衛隊沖縄地方連絡部の違法入居に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十八年二月十九日

提出者  (注)長亀次郎

          衆議院議長 福田 一 殿




自衛隊沖縄地方連絡部の違法入居に関する質問主意書


 那覇防衛施設局(以下「施設局」という。)と自衛隊地方連絡部(以下「沖地連」という。)が港湾法、条例に違反して、那覇港臨港地区内の民間ビルに強行的に居座り続けている。
 那覇市の再三の退去勧告、退去命令を無視し、「市長の許可を得ている」と全く事実に反する強弁をするに至つては言語道断である。
 しかもこのビルは、現在所有権移転登記手続請求事件として那覇地方裁判所で係争中のものである。
 国の機関が、那覇市の意向や法秩序を踏みにじつて強権的に入居し続ける暴挙は断じて容認できない。
 那覇市の意思と法律を尊重し、速やかにこの問題を解決すべきであるという見地から、次の事項について質問する。

一 那覇市は港湾法第四十条第一項、さらに運輸省港湾局長通達で定められた条例案に基づいて、「那覇市臨港地区内の分区における構築物の規制に関する条例」(以下「条例」という。)を制定している。
  この条例で認められている事業、事務所とは、海上運送、港湾運送、通運事業の外、官公署では消防署、動植物検査所、食糧事務所、海難審判所など、すべて港湾区に適したものである。
  自衛隊沖縄地方連絡部は港湾区に適さないだけでなく、民港の発展に全く関係がない。
  しかもこの区域内のビルを事務所として使用することは、条例でも許されていない。
 1 国の機関が、港湾法や条例に違反してまで居座つていいというのか、政府の明確な見解を求める。
 2 那覇市は昨年十二月二十一日、条例三条の規定に違反しているとビル所有者の沖縄総合リース、共光建設に対して自衛隊の退去を求める用途変更命令を出した。
   政府は、沖地連の居座りを止めさせ、速やかに退去させるべきである。
   これに対する見解を明らかにされたい。
二 施設局は、昭和五十七年七月五日那覇市が行つた聴聞会で、市長が出した「臨港区内の事務所売買についての同意申請に対する(回答)」(昭和五十五年八月八日付)と題する書面をもつて、条例三条ただし書きの許可を得たと述べている。
  また、用途変更命令を受けていた沖縄総合リースと共光建設も、本年二月十六日の運輸大臣に対する不服申立て(行政不服審査法にもとづく審査請求)の中で同趣旨のことを主張している。
 1 施設局が居座りの根拠としているのは、この回答書のことか。
 2 条例三条ただし書きでは、市長が公益上止むを得ないと認めて許可したものはよいことになつている。
   しかし、那覇市長はビル所有者及び施設局、沖地連に対して一切許可を与えていないと言明している。
   施設局は、もしその回答書を根拠とするならば、それが有効かどうかを許可権者である市に対し確認をすべきである。
   その確認をとつたか。
三 那覇市の前記回答書は、当時ビルの所有者で売主の那覇港運と買主である沖縄総合リースが連名で、建築物売買の承認を求める陳情書を昭和五十五年七月二十二日に提出しているが、それに対してのものである。
  市はこの書面で、「公共または公共的団体のみの使用であれば売買を承認する」旨、那覇港運に回答している。
  ところが、陳情者は昭和五十五年十月十七日付で「売買契約不成立に伴い」その陳情書を念書によつて取り下げているのである。
  つまり陳情書の取下げによつて、回答書は有効でなくなつたということである。
 1 施設局は聴聞会でこの取り下げた事実について全くふれていないが、承知しているか。
   もし、知つているとすれば、取下げについての判断と見解を示されたい。
 2 この取下げの事実を知つても、まだ那覇市の回答書が条例三条ただし書きの許可を与えているというのかどうか、はつきりと答えられたい。
 3 当時、建物使用許可の前提となる那覇港運と沖縄総合リースの売買契約が不成立となり、しかも陳情書を取り下げたことによつて、施設局及び現在のビルの所有者が「市長の許可を得た」とする主張は成り立たない。
   つまり、使用権限の法的根拠は全くないと考えるが、政府の明確な見解を求める。
四 沖縄総合リースは那覇港運との間で、再度売買契約が成立した直後の昭和五十五年十二月十三日、改めて「当該物件を貸事務所として国、公共団体又は公共的団体の事務所として賃貸し提供したいので公益上のことを考慮され格別の御審議をもつて許可されたく御願い申し上げます」と使用許可願を市に提出している。
  しかし、これは市長の許可を得るに至つていないのである。
 1 施設局はこの事実を知つているか。また、この許可願いは市長が拒否していることも承知しているか。
 2 沖縄総合リースが許可願を新たに出したということは、さきの陳情書を取り下げたことによつて那覇市の回答書が既に効力がなくなつたと判断したからである。
   これについて、政府の見解を求める。
 3 施設局は、この事実経過について最もよく知り得る立場にあつた沖縄総合リースからどのような説明を受けているのか。その内容を明らかにされたい。
 4 この問題に関する事実経過について、施設局は市当局の説明を聞いたことはあるのか。
五 このビルは現在係争中で、その利害関係人である真栄城耳鼻咽喉科院長真栄城徳佳氏は那覇港運との売買仮契約を一方的に破棄されたとして昭和五十五年十一月十九日、所有権移転請求権保全の仮登記仮処分命令を那覇地方裁判所に求めている。翌二十日にはこれが認められ、仮登記がなされている。
  このようなビルに沖地連が入居すること自体、極めて不当な行為と言わざるを得ない。
 1 沖地連が港湾法、条例を無視し、しかもわざわざ争いのあるビルに強行的に居座つている事態は、まさに不可解である。何か特別な理由があるのか。
 2 施設局は、入居契約前に既にこのビルが仮登記されていることを知つていたはずである。
   入居を差し控えるのが国の機関として当然のことではないのか、明確な見解を求める。
六 政府はこの問題の一切の事実経過について、那覇市から説明を聞くべきであると考えるが、その用意はあるか。いつ頃聞くのかも含め明らかにされたい。
七 国は地方公共団体の意思を尊重するのはもとより、法秩序を率先して遵守すべき立場にある。
  にもかかわらず、施設局、沖地連は那覇市の再三の退去勧告、そして今回の退去命令を全く無視し、港湾法、条例を踏みにじつたうえ、しかも裁判係争中のビルに強権的に居座り続ける行為は絶対に許せない。
  憲法に規定する地方自治の原則を踏まえ、政府は施設局、沖地連を速やかに退去させ、一刻も早く問題を解決すべきであることを強く要求する。
  重ねて政府の見解を求める。

 右質問する。



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