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昭和五十八年七月二十三日提出
質問第一六号

 インドネシアアサハン開発プロジェクトに対する我が国の経済協力に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十八年七月二十三日

提出者  井上一成

          衆議院議長 福田 一 殿




インドネシアアサハン開発プロジェクトに対する我が国の経済協力に関する質問主意書


 インドネシアアサハン開発プロジェクトに対する経済協力を実施するため、我が国はインドネシア政府との間で昭和五十一年八月に、二百六十二億五千万円の円借款供与に関する交換公文を締結した。
 当初本件開発プロジェクトの所要資金総額二千五百億円で実施すべく両国間で合意していたにもかかわらず、更に千六百十億円を追加し、四千百十億円で本件開発プロジェクトを実施することが、昭和五十三年に両国政府間で合意された。
 また、本件開発プロジェクト実施のため設立された日本・インドネシア合弁の現地法人PTインドネシアアサハンアルミニウムが、日本輸出入銀行など日本側協調融資団から融資された借入金の返済について、融資返済開始を昭和五十七年末から二年間延長するなど、本件開発プロジェクトをめぐる経済協力について理解し得ない点がある。
 よつて、次の事項について質問する。

一 アサハン開発プロジェクトの当初所要資金総額二千五百億円で、両国政府は合意していたにもかかわらず、更に千六百十億円を追加する必要が生じた理由とその根拠並びにそれを認めざるを得ない事情は何か。
二 当初策定の本件開発プロジェクトに要する総事業費二千五百億円の内訳と、その後千六百十億円追加による見直し、予算との所要資金比較の明細を示されたい。
三 当初本件開発プロジェクト協力に参加の意向を示していた米国のアルコ社、カイザー社の両社が、本プロジェクト基本協定書調印の時点で参加を断念している。これはナショナルプロジェクトとしての政治的配慮が先行し、アルミ地金生産の純経済的な採算性が無視されたからではないか。
四 本件開発プロジェクトに対する現地法人の借入金などを含めると、所要資金の九〇パーセント近くが日本側支出で実施することになつている。
  しかも所要資金の大半が円借款供与を始めとする公的な援助資金で賄われているが、現地法人の借入金の返済条件はどのようになつているか。
  今回借入金の返済開始時期を五十七年末から二年間延長した根拠並びに延長を認めなければならない事由は何か。
五 単にアサハン開発プロジェクトのみならずインドネシア尿素肥料プロジェクトに対する九千万ドルの追加資金供与、日本・シンガポール共同プロジェクトとしての石油化学事業に対する出資比率の引上げによる追加支出要請など、我が国の公的援助資金をあてにして所要資金の拡大を求め、我が国は政治的配慮から援助増額に踏み切る事例を増加せしめている。
  我が国のこのような経済協力政策の進め方自体にゆがみを生ぜしめるおそれはないか。

 右質問する。





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