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昭和五十九年三月三十一日提出
質問第一一号

 自衛隊基地・部隊等のゴミ手数料無料に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十九年三月三十一日

提出者  三浦 久

          衆議院議長 (注)永健司 殿




自衛隊基地・部隊等のゴミ手数料無料に関する質問主意書


 自衛隊基地・部隊等が隊内のゴミを近隣市町村の処理施設等で処分する際、無料の例がある。陸上自衛隊北富士駐屯地、航空自衛隊百里基地、浜松南・北基地、築城基地等から排出されるゴミの場合がそれである。
 この無料の理由を防衛庁は、「各市町村の条例等の定めるところによる(二月二十八日、私に対する防衛庁の回答資料)と、あたかも地方自治体側の好意的な意思によるものであるかのように説明している。
 しかし、実情は自衛隊側が防衛庁所管の「防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律」第八条(民生安定施設の助成)に基づく助成を得て建設されるゴミ処理施設であることを利用して、ゴミ手数料を無料にする態度を自治体側に陰に陽に求めているというのが真相である。
 こうした結果、航空自衛隊築城基地の場合、ゴミ手数料の未払いは年間約百三十万円(五十七年度)にのぼり、十数年間の未払い額になると千万円以上にのぼつている。もちろんゴミ処理施設の電気代、燃料費、人件費等運営・維持にかかる経費(五十八年度の関係自治体の負担金は、築城町五千四百五十六万円、椎田町六千四十九万円)さえ、築城基地が一円も負担していないことはいうまでもない。
 ゴミ処理の定義、目的等を定めた「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」は、事業者に、その「事業活動」に伴つて生じたゴミを自らの責任において適正に処理する責務を定めている。この「事業活動」には、『廃棄物処理法の解説』(厚生省水道環境部編)によれば、「単に営利を目的とするもののみならず、公共事業、公共サービス等をも包括」されるという。
 一方、地方自治体の財政は、自治省の事務次官通達「昭和五十八年度地方財政の運営について」でも「今後とも歳入の大幅な自然増収は到底期待できない情勢にあり、…一層深刻さを増している」と指摘されている。
 ゴミ手数料の未払いを続ける当該自衛隊基地及び同問題に関係する自治体は、自らの廃棄物の処理にかかる責務の点で、また、地方財政健全化の点でも、未払い問題の真剣な検討が改めて強く求められている。
 以上の観点にたつて、以下質問する。

一 防衛庁は、ゴミ処理施設が防衛庁所管の「防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律」に基づく助成を得て建設されることを利用して、ゴミ手数料無料化を地元自治体に働きかけるよう自衛隊基地・部隊等を指導しているのかどうか、見解を明らかにされたい。
二 自衛隊基地.部隊等がゴミ処理の手数料を関係自治体に支払つている例は既に存在する。陸上自衛隊仙台駐屯地、練馬駐屯地、市ヶ谷駐屯地、海上自衛隊大湊地方隊等の部隊である。
  こうした実例があり、また、自らの活動に伴つて排出されるゴミの処理を「事業者」の責務と定めた「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の立場にたつ以上、さらには長年に及ぶゴミ手数料の未払いによる地方財政への圧迫の解消を真剣に考えるならば、当該自衛隊基地は手数料未払いを即刻改めるべきである。防衛庁は、見解を明らかにされたい。
三 航空自衛隊築城基地の場合、防衛庁によると「行橋市外五箇町清掃施設組合廃棄物処理施設設置条例」により同基地のゴミの手数料が無料にされているという。
  しかし、同条例でゴミの手数料徴収の対象外とされているのは、「関係市町」つまり行橋市、椎田町、築城町、豊津町、犀川町、勝山町である。航空自衛隊築城基地(ナイキ基地を含む。)は自衛隊そのものであり、自治体を指す用語「関係市町」に含まれないことは余りにも明白である。防衛庁は、見解を明らかにされたい。
四 自治省は、前記事務次官通達で、地方財政の大幅な収支不均衡状態からの脱却を主張し、「各地方団体においては地方財政の現状にかんがみ、使用料・手数料及び分担金・負担金については、住民負担の公平確保の観点と受益者負担の原則に立脚し、関係事務事業費の動向に即応して常に見直しを行い、引き続き適正化を図られたい」と住民に負担を強いる歳入増の方策を述べている。
  ここで指摘される「使用料・手数料」の「見直し」とは、住民の手数料のみが対象とされ、自衛隊の料金などは対象とされていないのかどうか、自治省は、見解を明らかにされたい。あわせて自衛隊のゴミだけを「聖域」扱いするような自治体の手数料免除は、地方財政の現状からも是正されるべきと考えるが、どうか。

 右質問する。





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