質問本文情報
昭和五十九年四月六日提出質問第一二号
新石垣空港に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和五十九年四月六日
提出者 菅 直人
衆議院議長 ※(注)永健司 殿
新石垣空港に関する質問主意書
沖縄県石垣島に建設が予定されている新石垣空港について、お尋ねしたい。
新石垣空港の建設は去る昭和五十七年三月、第三種空港として運輸省から許可されている。だが、第三種空港の建設は地元の要請と同意を第一義的な条件としているにもかかわらず、建設予定地の白保地区を中心に住民の根強い反対運動が続いている。
さらに、同空港建設予定海域は海洋資源の宝庫としての自然条件を備えており、日本に残された唯一といえる大規模なサンゴ礁に覆われている。こうした海を埋め立てて第二の空港を建設することに、どれほどの意味と必要性があるのか大変疑問である。
こうした観点から、以下の点について質問する。
日本に残る数少ないすばらしいサンゴ礁を守るために、水産資源保護海域に指定する必要があると思うが、その必要性についてどう考えているか。また、その前提として、環境庁は同海域のサンゴ礁の状態についてどのような把握をしているか。環境庁自らが直接に調査する意思はあるのか。以上を伺いたい。
二 同海域は「サンゴの中から魚がわく」と地元でいわれているように、漁業資源の豊富な海域である。地元漁民の話では、この海域だけで年間五億円近い漁業収益が得られている。昭和五十五年六月三十日の八重山漁業協同組合の定期総会において、同海域の漁業権放棄が決議されたことになつている。
しかし、この総会決議は過半数に満たない出席者による総会で行われたもので、法的要件を満たしておらず、違法決議として地元漁民から今年三月に訴訟が起こされている。
この漁業権放棄の違法性について、政府はどのように認識しているのか。
三 昭和五十五年に運輸省が作成した第四次空港整備五力年計画のなかでは、石垣空港の将来の需要は昭和六十年に約九十万人、六十五年には百六十万人に達すると予測され、これを前提に新空港建設が計画された。実際には、昭和五十二年の四十七万人が五十五年には六十四万人に伸びたものの、その後は横ばい状態で予測を大幅に下回つている。
今後、予測のような需要の大幅増加が見込まれると現在でも考えているか。
四 現石垣空港は八〇パーセントが国有地である。国有財産法は、「財産の用途を廃止した場合、大蔵大臣にこれを引き継がなければならない」と規定している。現石垣空港が、その用途廃止後、国有財産として国の管理下に置かれることは必至と思われるが、その跡地利用についてどのように計画されているのか、明らかにされたい。
さらに、現石垣空港で自衛隊が恒常的訓練を行い、また、米軍から使用願いが出されている現状から、地元住民の間には軍事転用されるのではという不安がある。現石垣空港が軍事へ転用されることはありうるのか、併せて明らかにされたい。
右質問する。