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昭和五十九年八月三日提出
質問第四三号

 丸山ワクチンに関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十九年八月三日

提出者  草川昭三

          衆議院議長 (注)永健司 殿




丸山ワクチンに関する質問主意書


 がんの免疫療法剤丸山ワクチン(SSM)は、昭和五十一年十一月に製造承認の申請が厚生省になされて以来、やがて八年の歳月が流れようとしている。
 この間、昭和五十六年八月には、中央薬事審議会が、「提出された資料からは、有効性を確認できず現段階で承認することは適当でない。」とし、引き続き、試験研究を行う必要があると、当時の村山厚生大臣に答申した。また、これを受けて厚生省は、昭和五十七年一月から丸山ワクチンを有料の「治験薬」とする異例の措置をとつた。有料としたことにより希望者は減るのではないかとみられていたが、丸山ワクチン使用登録がん患者は、増加の一途をたどり、昭和五十九年七月三十一日現在、実に二十万三千二百九十九人の多数に上り、年間利用者は十二万人を数えている。その使用医療機関も、大学病院百三十八、国立病院百七十、公立病院六百六十、準公立病院七百五十、私立総合病院五百八十、個人診療所六千六百、計八千八百九十八の施設に上り、いまや治験薬というよりも、がんに対する治療薬として定着、市民権を獲得しつつある。
 この事実は、丸山ワクチンの有効性が、がん患者並びにその主治医によつて確認された結果であるといつても差しつかえない情勢になつている。
 そこで次の事項について質問する。

一 丸山ワクチンが有償治験薬となつて以降、政府は申請者であるゼリア新薬工業に対して、どのような指導をし、それがどのような形で実つているのか、動物実験、治験機関のその後の臨床試験データーを併せて明らかにされたい。
二 有償治験期間は、昭和五十七年一月から三年間といわれているが、それはどのような種類の文書に明記され、その期間が終了すると法律、行政上どのようになるのか、明らかにされたい。
三 中曽根総理大臣は、去る二月二十日の衆議院予算委員会で、私の質問に対し、本年十二月末に有償治験の期限が切れる丸山ワクチンについて、試験研究、薬の害(副作用)、患者の声などを総合的に判断し、助言したいと言明した。
  これは丸山ワクチン問題の重大性を認識した結果と思われるが、具体的にいつどのような形で助言するのか伺いたい。
四 二十万人を超える患者の心中を考えれば、丸山ワクチンは、早急に製造承認すべき時期にきていると考える。仮にデーター不足といえども既に過去のデーターで腫瘍縮小効果が認められ、加えて延命効果があり、副作用がゼロであることが明らかになつている。これらのことを考慮し、まず政府は製造を認可して、それから補足データーを収集、整理の指導をすべきではないか、というのは、既に認可されている他の免疫療法剤では、現在行われている比較臨床試験がなされておらず、そのデーターがないまま今日大量の販売投薬がなされているからであり、これは明らかに差別である。
  見解をたまわりたい。
五 厚生省の発表によると我が国におけるがんによる死亡者は年々増え、各種疾患中第一位を占めている。政府はこの事実を踏まえ「対がん十ヵ年総合戦略」を策定し、がん対策に真剣に取り組んでいるところであるが、現実問題として、がん患者の治療について、多少とも役立つものがあれば積極的に取り上げ、助成することが重要だと考える。
  このため丸山ワクチンを有効性が低いという理由だけで抹殺するならば、医療行政史上、人きな禍根を残すことになろう。製造承認するのか、有償治験期間を延長するか、あるいは「第三の道」について厚生省、ゼリア新薬工業が内部で検討中との報道もなされているが、どのような措置を考えているのか明らかにされたい。

 右質問する。





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