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昭和五十九年十二月二十六日提出
質問第一三号

 沖縄県北部四ダムの返還に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十九年十二月二十六日

提出者  (注)長亀次郎

          衆議院議長 (注)永健司 殿




沖縄県北部四ダムの返還に関する質問主意書


 沖縄開発庁は、昭和五十八年三月で先に完成していた沖縄県北部の福地、新川ダムを始め安波、普久川ダムの四ダムすべての工事が完了したとしている。
 これらの四ダムはすべて米軍への提供地域内に建設されており、現に貯水池などでは今なお米軍の演習が行われているのが現状である。
 昭和四十七年二月二十一日の日米合同委員会は、「ダムの用地は、ダムの建設工事完了後返還を受ける」と合意している。
 これまでも日本共産党は、県民の生活と安全を守るため、広大な米軍演習地の全面返還を強く要求しつつ、同時に県民の命の源である水源地の即時全面返還を強く要求してきた。
 しかるに、これらのダムの用地は、その建設工事が完了しているにもかかわらずいまだ返還されていないことは誠に重大である。
 従つて、次の事項について質問する。

一 昭和五十九年十一月二十八日、参議院沖縄北方問題特別委員会で、政府は北部四ダムの返還について、「現在現地において米軍及び関係機関の間で返還及び提供の細部につきまして話し合いを行つている」と述べた。
  ダム工事が完了して既に一年半以上も経過しているにもかかわらず、いまだに返還手続が終わらない理由は何か、話し合われている内容を具体的に説明されたい。
  併せて返還のメドはいつなのか伺いたい。
二 水道法第二条では、国及び地方公共団体は、水道が国民の日常生活に直結し、その健康を守るために欠くことができないものであることにかんがみ、水源及び水道施設並びにこれらの周辺の清潔保持のため必要な施策を講じなければならない旨、規定している。
 1 沖縄県以外に上水ダムの貯水池等で米軍の演習を許している例は全国にないと思うがどうか。
   更に自衛隊の場合はどうか(沖縄県を含めて)。
 2 前記の水道法の規定の趣旨に従つて、水源地や浄水場の清潔保持と水質保全を図るためには、上水ダムでの米軍の演習は絶対に許されないと思うがどうか。
三 前記参議院沖縄北方問題特別委員会で政府は、昭和四十七年の日米合同委員会では、「貯水池部分については地位協定二条四項(b)の適用ある施設区域として再提供される。再提供される貯水池における米軍の訓練につきましては、浮き橋の建設と使用、水質浄化訓練、水域渡河訓練、小型舟艇訓練、磯波訓練、水陸両用車の使用による訓練、ヘリコプターによる消火訓練、ヘリコプターによる空海救助訓練の八つに限定されている」こと、更に「訓練をするに当たりましては、水中爆破は禁止する、恒久建造物の建設を禁止する、仮設建造物を使用した後にはこれを撤去する、汚染防止の万全の措置をとるという四つの条件が適用される」ことが合意されている旨、述べた。
 1 かかる訓練を認めている状態で、県民の生命と安全にかかわる水資源の汚染防止、水質保全、衛生的な安全が確保できると断じて言えない。
   一切の米軍訓練を許さないよう改定すべきであると思うがどうか。
 2 訓練に当たり適用される「四つの条件」だけで県民の生命と安全が保障されると思うのか。
   「汚染防止の万全の措置」をとるというが、演習をやめることが「万全の措置」でないのか、とり得るというならその具体的内容を示されたい。
 3 もし再提供されることになれば、当然海兵隊を始め特殊部隊なども訓練することになると思うがどうか。
四 政府は前記の参議院沖縄北方問題特別委員会で、北部四ダムでの最近五年間の米軍の訓練について、「昭和五十五年から五十六年夏にかけて福地ダムの施設区域内の湖面でゴムボートによる訓練を行つた」と述べている。
 1 実施した訓練の内容及び回数、期間、部隊名、規模について実施月日ごとに明らかにされたい。
 2 政府が“ゴムボート訓練”と言つている訓練はどういう内容のものか。
 3 現在北部四ダムの貯水池において米軍が行う訓練については、無制限にいかなる訓練でもできるのか、それとも制限があるのか。また、汚染防止のためにどんな措置をとつているのか。
五 私は昭和四十九年五月七日の衆議院内閣委員会で、昭和四十一年の日米合同委員会の取り決めに基づく、日本と駐留米軍との伝染病情報の交換が沖縄県において実施されてないことを指摘した。その後実施されているか。それはどういう機関でどのような方法で行われているのか。
  現在までの駐留米軍の伝染病の発生状況とその対応について明らかにされたい。
六 以上指摘したとおり、他府県はもとより世界の先進諸国にも全く前例のないダム貯水池での米軍の演習を政府は絶対に行わせてはならない。
  沖縄県民の生命の源である水源地の汚染をもたらし、米軍に湖上演習場を再提供する日米合同委員会の不当な合意事項を撤回することを強く要求する。更に、県民の強い要求となつている北部・安波訓練場での米軍のすべての演習をやめさせ、これらの演習場の全面返還を実現するためアメリカ側と交渉することを求めるものである。
  これらについて政府の見解を求める。

 右質問する。





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