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昭和六十年六月十四日提出
質問第三七号

 新紙幣発行に伴う旧紙幣との見まちがい及び盲人の不便さ解消に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十年六月十四日

提出者  小川国彦

          衆議院議長 坂田道太 殿




新紙幣発行に伴う旧紙幣との見まちがい及び盲人の不便さ解消に関する質問主意書


 政府は、昭和五十九年十一月一日から新しい一万円、五千円、千円の新札を発行した。これには昭和五十六年七月から三年の準備期間を要し、三券合計で三十六億枚の新札を用意されたといわれる。この改札の目的は、第一に偽造防止、第二に紙幣用紙の節約(小さくして)、第三に目の不自由な方の識別のためにもといつている。
 しかしながら、今次の新札発行後、八ヵ月を経過したが、新旧札の使用は誤認や間違いをおこしやすく国民から是正の声が高まつている。
 以下の諸点について質問する。

一 五百円札と新札の千円札は色調が全く類似しており、大きさもほぼ同じであるためデパートやスーパー、一般商店において「千円札と五百円札を良く見まちがう」といわれている。
  五百円札については混乱を避ける意味からも、印刷を停止する方針を決めたと聞くが事実か、あるいは近い将来、決定する考えがあるのか。
二 五百円に占める硬貨の割合が七割近くに達し、五百円札は一、二年以内に市中から姿を消すだろうといわれているが、大蔵省、日銀は将来五百円札の発行を取りやめる考えはあるのか。
三 従来の紙幣においては、一万円札、五千円札、千円札、五百円札において、大きさ、タテ、ヨコの長さ、紙質がそれぞれ異なつていたため、正眼者、盲人、すべての国民にとつて識別が容易であり、使用に便利な紙幣であつた。新札においては、これがみな一様の紙質で、タテが同じ、ヨコが五ミリづつ異なるだけで、夜、暗いところでの金銭のやりとりでも非常な不便を来しているという。国民全体の立場に立つてこの点について是正の考えはあるのか。
  新札におけるヨコ五ミリの差はシワが寄ると大きさにおける識別には、不十分との声も聞かれる。ヨコの差を広げて識別を容易にする考えはないか。
四 現在紙幣は、新旧紙幣合わせて七種類もの数に及んでこの点も煩瑣となつている。即ち、一万円が二種類、五千円が二種類、千円が二種類、五百円が一種類である。これが整理統合されて、新紙幣のみになる時期はいつか。
  旧一万円札の偽造事件等もあり速やかに新札のみの流通を実現すべきと思うがその目標達成の計画を示されたい。
五 社会福祉法人・日本盲人会連合(会長村谷昌弘)は、昭和五十九年十二月十四日大蔵大臣及び印刷局長に対して「新紙幣に対する不満と補償、改善要望について」という次のような文書を提出している。
  「新紙幣が発行されました。発行の事前、目の不自由な者に対しても凹凸点を入れ識別を容易にしてあるとの触れ込みに、全国盲人は大きな関心と期待を抱いていましたが、発行された紙幣を手にとつた者総てが落胆する結果となつてしまいました。
  この不満については新聞紙上にも度々報ぜられていますが、本会にも苦情が殺到しています。又、この改正について大蔵省は本会の了解を得たように答えられ、新聞紙上に載つたことは甚だ遺憾であり、迷惑至極です。
  印刷以前に大蔵省当局から問われた際にも、この凹凸点については点字と言えるものではないこと、たとえそれが点字であつても、点字を触読できる者は普通文字を読み書きできない程度の重度視覚障害者中三十パーセントにも達しておりませんので、当の障害者総てには用をなしません。
  凹凸点の意義を全く否定するものではありませんが、現紙幣の凹凸点は実に不鮮明です。
  このような訳で、全部の視覚障害者に識別容易となるよう、旧紙幣と同様又はそれ以上に金種別に大きさを変えてほしい旨手直しを求めましたが、結果はいずれもそれに応えていません。
  新旧紙幣が混在している現状は実に混乱を極めています。苦情を持ち込んだ者の中には、紙幣を取り違え、損失を被つている者も少なくありません。何故にこのような紙幣が発行されたのか、こうした弊害をどう取り除かれようとするのか、又損失した者に対してどう補償されるのか。
  我々全国の盲人に納得のできるよう、明快な回答を賜りたい。
  以上、率直に申し上げました。貴意が得られれば幸いに存じます。」
  これに対する政府の回答はなされたのか、なされたとすればその内容はどのようなものなのか、また、なされていないとすれば、それはどのような理由に基づくものか。この要望に対する改善の措置は進められているのか。
六 紙幣はいうまでもなく国民生活にとつて、毎日欠かすことのできない重要な役割を果たしているものである。従つて政府はこれを使いやすい、そして間違いの少ない便宜な紙幣として供給する責任があるはずである。
  盲人を含めてすべての国民が使いやすい紙幣の識別のために政府は今後、どのような改善措置を考え、かつ実行する用意はあるのか。

 右質問する。





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