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昭和六十一年九月十七日提出
質問第四号

 排気ガスと肺癌予防に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十一年九月十七日

提出者  岡崎万寿秀

          衆議院議長 原 健三郎 殿




排気ガスと肺癌予防に関する質問主意書


 今日、大気汚染の下で肺癌の多発が憂慮されている。東京都が本年五月に公表した「複合大気汚染に係る健康影響調査総合解析報告書」でも「排気ガスと女性の肺癌死亡率との間に高い相関関係を認めた」との報告を行つている。
 肺癌予防の見地から効果的な排気ガス対策とその根本的検討が緊急に必要となつているので、次の事項について質問する。

一 東京都が五月に公表した「複合大気汚染に係る健康影響調査総合解析報告書」によれば、都心部における女性の肺癌死亡率は極めて高い。都市住民の健康にとつて、この問題は放置できない重大問題と考えるがどうか。
二 環境庁が結核研究所に依頼して行わせた動物実験では、ラットに二年間、排気ガスを吸わせると、四匹に一匹の割合で肺癌が発生している(昭和六十年、大気汚染学会における結核研究所による発表)。これは極めて重要な結果である。
 1 ラットとはいえ、政府はこの結果を深刻に受けとめるべきと思うがどうか。
 2 東京都は既に公害に関しても疫学調査を行つている。政府も大気汚染と肺癌との関係について全国的な疫学調査を行うべきではないか。
三 東京都は「肺癌と排気ガスとは関係なし」との見解の下で、二月に高速道路王子線の建設を認可した。しかし、五月には排気ガスと肺癌との相関関係を認めた都の「複合大気汚染に係る健康影響調査総合解析報告書」が公表されている。
 1 東京都は認可の後に公表された報告書を考慮して認可の見直しを図るべきだと考えるが、政府はどう考えるか。
 2 政府は肺癌と排気ガスの因果関係をどうみているか。
四 高速道路王子線は東京都環境影響評価条例に基づいた環境アセスメントの下に建設されることになるが、この条例には都知事の基本的責務として「都民の健康を守る」ことがうたわれている。しかるに都は、陸上植物に対する影響調査は行つたが、人体に対する調査は行わなかつたことを明らかにしている。
  環境調査を行う場合、当然に人体に対する影響を調査項目に含めるべきと思うがどうか。
五 長距離トラックは速度をあげるために噴射弁を操作していると伝えられるが、この違法行為によつて排気ガスが多く放出されていることも看過できない問題である。この点について政府はどういう対策・措置を講じているか。
六 ディーゼル車の排出する黒煙に強い発癌性があることが最近指摘されはじめている。環境庁が結核研究所に依頼して行わせた動物実験でも、ディーゼル車の排出する黒煙に強い発癌性があるとの報告がなされていると伝えられる。
  どういう報告なのか、詳しい内容を示されたい。

 右質問する。





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