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昭和六十一年十月二十七日提出
質問第一〇号

 我が国の地方文化の振興に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十一年十月二十七日

提出者  藤原房雄

          衆議院議長 原 健三郎 殿




我が国の地方文化の振興に関する質問主意書


 今日、我が国においては、国民の生活水準の向上、高学歴社会の進行や、労働時間の短縮等による自由時間が増大する中で、文化に対する関心が高まり、要求は質・量ともに一段と増大している。
 このような中で、国においては、これら国民の文化に対する要求に的確に応えるべく、各般の施策に取り組んでいるところであるが、今後は国際化・情報化など来るべき二十一世紀の時代社会に対応し、地方文化の育成を視点においた各種の施策を積極的に推進すべきと考える。
 従つて、次の事項について質問する。

一 我が国における文化の振興についての基本的な考え方及び文化の振興に係る国と都道府県の体制と役割分担についてどのように考えているか。
二 文化庁は、文部省設置法第十二条で、その任務を文化の振興及び普及並びに文化財の保存及び活用等を図ることとあり、そのための予算は、今年度三百六十億円を超える規模で計上されている。しかし、一方で他省庁においても、文化関係予算が計上執行されている。
  国と都道府県の関係において、基本的には、文化庁が抱える補助事業の予算は、都道府県においては、教育委員会に交付されているが、他省庁が抱える補助事業については、どこに交付されているのか。
  また、文化庁と他省庁において、交付先が異なる理由を明示されたい。
三 我が国の文化の振興については文化庁が担当し、都道府県においては「地方自治法」及び「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」に基づき教育委員会が、その事務を管理、執行している。
  しかし、近年、いわゆる文化の時代とも言われる中で、国民の文化に対する関心が高まり、
  特に、衣食住を中心とする生活文化については、それが顕著である。そのため、都道府県においては、地域住民の要求に応えるとともに、併せて、いわゆる行政の文化化を推進する上から、知事部局に文化担当の機構を設置し、各種の施策を推進している自治体が増えており、一定の成果があがつている。
  このように、我が国の文化の振興に係る推進体制を見るとき、二重行政とも見受けられる状況があるが、どのように認識しているのか。また、これらに対して、国においては、何らかの措置を講ずる用意があるのか伺いたい。
四 昭和六十一年度文化庁予算についてである。芸術文化の振興について、例えば、芸術鑑賞機会の充実、青少年芸術劇場などの事業があるが、これらの事業はどのような考え方に基づいて行つているのか。
  また、オーケストラやオペラなどの地方巡回公演については、地方の要求をも、くみとるなど弾力的な内容として実施すべきと考えるがどうか。
五 我が国における文化の振興及び普及等を円滑に推進するために「文化振興法」(仮称)とも言うべきものを制定すべきと考えるがどうか。
六 国民文化祭について、明年度の取り組みについて伺いたい。
  また、この事業を実施するに当たつて、文化庁、都道府県、市町村等における財政負担については、どのようになつているのか。地方への負担増を強いることのないよう配慮すべきと考えるがどうか。
七 民間芸術活動の振興について、文化庁は、昨年、文化庁長官の私的諮問機関として、有識者による「民間芸術活動の振興に関する検討会議」を設置、この二年間、我が国の芸術活動振興の方途を検討してきたが、七月二十八日、その報告書が提出された。文化庁は、この報告書をどのように受けとめているのか。
八 同報告書の中で指摘されている、民間活力導入による芸術振興基金の設置、芸術センターの設置については、今後、どのように取り組むのか。特に、個人・企業等の民間からの寄付に対する税制上の優遇措置については、現在、どのように検討しているのか。また、入場税の軽減等による入場料の引下げについてはどうか伺いたい。
九 同検討会議が指摘する「芸術家の経済的基盤の改善」の具体的な方策としては、給与所得税、物品税等税制面での優遇措置や、不慮の事故、傷病・老後の生活保障のための共済制度の確立、あるいは文化功労者年金制度の拡充を図るべきだと考えるがどうか。
十 同報告書の中では、特に、国として、地方の芸術文化の振興に向けて、側面から支援・条件整備に努めるべきであるとの考え方が示されている。
  そこで、現在、札幌市が推進している「芸術の森」構想についてであるが、国においては、この構想をどのように位置付けているのか。
  また、同構想推進のために、国においては、今後も必要な財源措置等を講ずるべきと考えるがどうか。
十一 来るべき二十一世紀の北方圏の新しい芸術文化の創造を目指す同構想には、地方の芸術家の養成はもとより、我が国の新たな芸術文化の創造と研究の機関としての芸術大学の誘致が不可欠である。
  札幌市においては、目下、芸術大学誘致については、第三セクター等の方法も含めて検討していると承知している。関係省庁における具体的な支援方策はあるのか。
  また、国においては、同構想の推進に必要な財源対策についてどのように考えているのか。
十二 国においては、「芸術の森」構想の上から、特に、地域総合整備事業債の適用を受けられるよう制度の継続と、同整備事業債の交付税算入の継続については、今後も引き続き配慮すべきと考えるがどうか。また、地域総合整備事業債の充当率については、今年度、七〇パーセントから七五パーセントに引き上げられたが、今後も各団体における財政負担の軽減を図るため充当率の引上げについても、検討すべきと考えるがどうか。

 右質問する。





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