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昭和六十二年三月十二日提出
質問第一六号

 公共施設における障害者用施設の整備促進と改善に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十二年三月十二日

提出者  田中美智子

          衆議院議長 原 健三郎 殿




公共施設における障害者用施設の整備促進と改善に関する質問主意書


 今年は国連「障害者の十年」の中間年である。国連第三十五回総会は、「障害者が社会生活及び彼らが生活する地域社会の発展に完全に参加し、社会経済の発展の結果たる生活向上の平等な分配を受け、他の市民と同等の生活を享受する権利の実現」を促進させることを宣言し、各国にその具体的計画と実施を求めている。
 日本政府が障害者の社会参加を阻んでいる幾多の障害を取り除くことは当然である。とりわけ、障害者の切実な要求である社会参加の前提条件である交通機関や宿泊施設の障害者用整備は急務である。
 ところが、国鉄、私鉄、地下鉄、空港等の公共施設における施設の整備状況は、未だ不十分である。また、公的宿泊施設等は障害者用に整備されているものが利用できない実態になつているところさえある。
 従つて、次の事項について質問する。

一 各飛行場、各航空会社において、障害者やお年寄りなどが搭乗する際背負つている状況さえある。
  各航空会社においては、施設の整備状況、援護体制などどのようになつているのか。
二 日本の空の玄関である新東京国際空港の障害者用施設の改善について
 1 入国してきた障害者が現在のリフトを使用するに当たつて、入口の案内もなければ、リフト使用の説明もなく障害者がしばしば立往生している。
   日本航空、入国審査(法務局)、税関(大蔵省)などの連携が十分でないなどのためであり、早急に改善すべきと考えるがどうか。
 2 障害者の案内役が航空手荷物サービス(株) ― 略称ABCの職員になつている。
   障害者が荷物扱いされた感じを受けるのではないか。ABCに担当させることについては考慮が必要ではないか。
   案内の職員に接客教育が十分でなければならないのは当然である。障害者の心を傷つけるような扱い方がないように努めるべきと考えるがどうか。
 3 車イス用リフトは、海外から到着した障害者にとつて二階の入国審査から一階の税関におりるための唯一の設備である。
   ところが、リフトは高さが四メートルもあり、囲いもなく、資材運搬用のものと変わらないものである。利用者には、恐怖心をあおるだけでなく危険なものといわなければならない。
   障害者が安全に一人で操作できるようなエレベーターに改善すべきと考えるがどうか。
 4 出国する際の通り道にある障害者用エレベーターの障害者シンボルマークが削りとられている。何故マークを削りとつたのか。すぐ改善すべきと考えるがどうか。
三 厚生年金休暇センターなど厚生年金福祉施設、郵便貯金会館、簡易保険保養センターなど公的宿泊施設に、最近は障害者用宿泊室、浴場、トイレなどが整備されており、障害者の社会参加に大きく貢献している。
  ところが、利用者が少ないことからか、世話が面倒なためなのか、障害者のシンボルマークをはがし、中には倉庫がわりに使用しているところもある。障害者の宿泊者にそれらの施設があることを告げず、事実上利用させないところがある。
  これでは、仏作つて魂入れずではないか。早急に次のことを改善するために、全国一斉に点検と指導をすべきと考えるがどうか。
 1 施設を利用する障害をもつ宿泊者に必ず障害者用の宿泊室、風呂、トイレなど施設のあることを告げ、利用方法を明確にすること。
 2 シンボルマークは必ずつけて、障害者にわかりやすくすること。

 右質問する。





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