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昭和六十二年三月三十日提出質問第二五号
育児休業制度の現状とその普及推進に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和六十二年三月三十日
提出者 石井郁子
衆議院議長 原 健三郎 殿
育児休業制度の現状とその普及推進に関する質問主意書
「育児休業法」が施行されてから、既に十年余になる。この間、公立義務教育諸学校等の女子教育職員の育児休業取得率は、昭和五十一年度の二四%から昭和五十九年度の八三・六%へと飛躍的に増加し、この制度の需要の高さを示している。
昭和六十一年四月からは「男女雇用機会均等法」が施行され、育児休業制度についても、第二十八条第二項において、国の努力義務規定が全事業所に拡大された。
また、ILO第一五六号条約(男女労働者、特に家族的責任を有する労働者の機会均等及び均等待遇に関する条約)では、「家族的責任を有する労働者が労働力となり、労働力としてとどまり、及び家族的責任を理由とする不就業の後に再び労働力となることができるようにするため、国内の事情及び可能性と両立するすべての措置をとる。」(第七条)と定められているように、育児休業制度の拡充は今や国際的趨勢となつている。
我が国における育児休業制度の一層の拡人と充実を図ることが緊急となつていることにかんがみ、以下質問する。
この問題の主務官庁は一体どこなのか、明らかにされたい。
二 現行「育休法」の努力義務対象とされている私立の義務教育諸学校の女子教育職員及び民間の病院・施設等の保母・看護婦等の育休取得状況は、いずれも行政として掌握していないのが実態である。
また、特定職種育児休業利用助成給付金の支給件数実績は、昭和五十六年度から昭和六十年度にかけて、いずれも数件にとどまつているのが実情である。こうした実態をみるならば、関係省庁が行政としてどのような努力をしてきたのか、はなはだ疑問である。
これまで政府が行つてきた制度普及の勧奨措置について、具体的に明らかにされたい。
三 現行「均等法」の前身である「勤労婦人福祉法」(昭和四十七年施行)は、事業主の育児休業実施の努力義務を規定していた。
しかし、実施事業所は、昭和五十六年から昭和六十年までの五年間に、一四・三%から一四・六%へとわずか〇・三%の微増にとどまつている。
増加率がこのように低いのはなぜか。実施の困難はどこにあるのか。また、労働省はこの間、どのような行政指導を行つてきたのか。
以上の諸点について、具体的に明らかにされたい。
四 現在、婦人労働者のなかで、既婚婦人の割合は七〇%を占め、今後も増加傾向にある。一方、出産・育児を理由とする離職者は年々減少している。この傾向のなかで、育児休業制度の拡充はますます大きな要求となつている。
婦人労働者の出産・育児に伴う肉体的・精神的負担を少しでも軽減するため、育休制度のより一層の徹底を図る必要があると考える。
そのためには、タテ割りの行政指導ばかりでなく、関係省庁の緊密な連携が必要である。これについて、主務官庁である労働省が婦人局長の連絡調整権限なども行使し、育休制度の拡充推進のため、行政努力
右質問する。