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昭和六十二年五月二十七日提出
質問第四三号

 水産用ワクチンの開發と實用化に關する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十二年五月二十七日

提出者  滝沢幸助

          衆議院議長 原 健三郎 殿




水産用ワクチンの開發と實用化に關する質問主意書



 敗戰により領海を狹められた我國は、其後の經濟の成長と人口の増加が齎した魚介類の需要擴大とともに、其の資源の多くを内水面養殖漁業に求めざるを得ない状況となつたが、それが結果して、養殖漁業の學術的研究の向上を招き、更に益々、事業の發展を期待されるに至つた。
 然し一面、その内水面養殖漁業は、近年とみに進んだ水質の汚濁により、魚族の病害を多發せしめ、その對策として、結局は藥漬け漁業とならざるを得ず、消費者國民の健康に及ぼす影響が深く憂慮されてゐる。
 勿論水産用藥劑の使用については嚴しい法的規制を受けてゐるが、現實に副はない面が餘りにも多い。
 ここに於いて水産用ワクチンへの期待は切なるものがあるが、これは學問的には早くより完成を見て、既にアメリカ等諸外國は實用してゐるところである。然し我國に於ては、その出願について未だ許可を見ず、その公開が待たれてゐる。もしそれ、之が速かに實用化され普及すれば、健康にして清潔なる魚介の供給は期して待つべきものがあるが、問題はかゝつて行政の對應よろしきを得るにあり、其の解決は緊急を用する。
 仍つて其の對策につき質問する。

一 今日における我國内水面養殖漁業の現状は魚種及び生産量がとみに増大したにかゝはらず、國の適切な對策を缺き業界への指導も不充分で、全て生産者まかせの現状である。政府はこの事業の將來について如何なる豫測と對策を持つか明かにされたい。
二 養殖漁業の水質汚濁と魚族の疾病についての現状は、河川湖沼等の、工場汚水・家庭の生活汚水等の對策が遅々として進まず、魚族の疾病豫防の研究も大學等における學問的分野は進んでゐても、應用面は甚だ遅れ、然も之に投與されてゐる藥品類は水産用藥品として農林水産省の管理にかゝり、藥事一般を司る厚生省との行政的峡に置かれてゐることから、醫師・藥劑師・獸醫師等の指示も得にくい現状にあるが、政府はこの實體を如何に見てゐるか。その改善策を併せ伺ひたい。
三 養殖漁業における藥品の投與については、要指示藥をも含め今や公然の祕密とされ、マスコミも之を採りあげる等、國民消費者の等しく憂慮してゐるところであるが、之が人體への影嚮を如何に考へられてゐるか對策を示されたい。殊に、違法使用の實體を知つてゐるか否か明かにされたい。
四 水産用ワクチンの開發については、學術的研究段階は既に完了し、今や實用を待つ状況にある。アメリカはじめ諸外國では早くより實用されてゐる事實を踏まへて、今後これらの研究と實用についての所見を問ふ。
五 水産用ワクチンについては輸入及び國産それぞれ出願中と聞くが、之が認可事務遅滯の事由は何か。又その許可・不許可の見通と、その理由及び審査作業の日程を明かにされたい。
六 水産業、殊に養殖漁業の指導監督、分けても水産用藥品にかゝる行政について、水産廳・農林水産省畜産局及び厚生省など關係省廳間の繩張爭ひをやめ眞の協力聯絡の實を擧げることは、水産業及び國民總てのため不可缺の條件である。政府は今日これら省廳間の協力について如何に考慮し對策されてゐるか。

 右質問する。





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