質問本文情報
昭和六十二年九月九日提出質問第二九号
建設関連資材の価格抑制のための緊急対策に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和六十二年九月九日
提出者 近江巳記夫
衆議院議長 原 健三郎 殿
建設関連資材の価格抑制のための緊急対策に関する質問主意書
我が国経済は、増大する対外不均衡を背景として、激化の一途をたどる貿易摩擦と急激かつ大幅な円高によつて、中小企業、地域経済、雇用等に深刻な問題を生じている。
かかる対外不均衡の是正と国内経済の再活性化を図るため、内需拡大を中心とする積極的な経済運営と機動的・弾力的な施策を強力に展開していくことが、内外の要請に応える喫緊の政策課題となつている。
しかるに、最近における政府の無策による地価狂騰に加え、内需拡大の牽引力となるべき公共事業やビル・住宅向け建設関連資材は、極めて短期間に高騰し、内需拡大策を推進する上で重大な支障となつているばかりでなく、国民生活に大きな不安を与えている。
このような状況を放置することは、国民生活を守る上からも、内需中心の健全な経済発展を期する上からも、断じて容認できない。
ついては、次の事項について政府の緊急かつ的確な対応を求めるとともに、確固たる決意と取組み姿勢を質問する。
二 これら資材の急騰の背景に、先行きの需要増に伴う値上がりを予想しての買占め.売惜しみの動きがあると考えられるが、その実態はどうか。
また、販売価格協定等独占禁止法違反行為も予測されるが、公正取引委員会の認識と対処方針を説明されたい。
三 これら資材の最近における原料費、生産量、生産稼動状況、輸出入量、在庫、流通状況及び今後の生産計画についての詳細な実態を早急に調査し説明されたい。
四 緊急措置として、生産量の拡大指示、緊急輸入等で供給量を増大するとともに、便乗値上げを排除するため、実効ある施策を早急に講ずる必要があると考えるが、具体的にどのような措置を講ずる考えか説明されたい。
また、公共事業の発注がピークに達する九月以降セメント、砂利、アスファルト等についても値上げが懸念されている。今後どのように価格値上げを防止していく考えか併せて説明されたい。
五 国民生活の安定と国民経済の円滑な運営を確保するため、「生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律」及び「国民生活安定緊急措置法」を早急に発動すべきだと考えるがどうか。直ちに発動しないとすればどういう状況になれば発動するのか具体的に説明されたい。
右質問する。