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昭和六十二年九月十八日提出
質問第四〇号

 生乳取引に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十二年九月十八日

提出者  草川昭三

          衆議院議長 原 健三郎 殿




生乳取引に関する質問主意書


 私は、危機に瀕する酪農経営における乳価交渉の諸問題を衆議院物価問題特別委員会、農林水産委員会をはじめ質問主意書で繰り返し取り上げてきたが、政府の答弁は一貫せず矛盾点が多く、問題点を意識的にすりかえたものであり極めて不満足である。よつて次の質問をする。

一 先ず農業協同組合法について、政府の見解を問う。即ち、農業協同組合法第十条第一項第十一号は「組合員の経済的地位の改善のためにする団体協約の締結」を農業協同組合の事業の一つとして規定しているが、これは、あたかも、労働組合法における労働協約あるいは中小企業等協同組合法における団体協約と同様、一人一人の農民が業者とばらばらに取引していたのでは、その取引内容は農民に不利になりがちであるとの認識のもとに、農業協同組合が農民の力を結集した組織体であるという性格に基づいて、農民の経済的地位の向上を企図して制定されたものであり、その根本的な考え方は、右労働協約あるいは中小企業等協同組合法に基づく団体協約と同様の趣旨から出たものと解すべきであると考えるが、見解を明らかにされたい。
二 生乳取引の契約文書化についての農水省の見解は、(いずれも昭和六十二年)
  七月二十九日 衆議院農水委員会京谷畜産局長答弁
   「大部分が文書により整備されているものと考えております」
  八月七日付全国生乳連に対する牛乳乳製品課長名文書
   「現在では相当整備されてきているが、一部には未整備となつているものもある」
  八月二十五日 衆議院物価問題特別委員会窪田牛乳乳製品課長答弁
   「一部の県においてはまだやつておりません」
 となつている。
  ところが、九月一日の衆議院農水委員会の私の質問に対し京谷畜産局長は、
  「私どもこれを文書化をするように努力をしておりますが、まことに遺憾ではございますが、完全にそれが励行をされていないという実情にあるわけでございます。私ども改めてこの問題について調査をしてみますと、いろいろ不十分な点がございますし、また実情把握につきましても手抜かりがあつた点がありますこと、大変遺憾に存じておるわけでございます」
と答弁した。
  わずか一ヶ月余の間に、にわかに農水省答弁が変化した理由は何か。この間の経過を含め明らかにされたい。また、これまでどのような方法で実情把握を行つてきたのか具体的に明らかにされたい。
三 私は、生乳取引にあたり、大手乳業メーカーと指定生乳生産者団体との間で契約の文書化が行われていないことを指摘してきた。これに対し農水省は、北海道では、文書契約が存在すると答弁した。(昭和六十二年八月二十五日、衆議院物価問題特別委員会)
  しかし、その後、農水省から私に提出された北海道の契約文書には、具体的な契約内容が記されていなかつた。そこで私が、その点について衆議院農水委員会(昭和六十二年九月一日)において追及したところ京谷畜産局長は、(北海道の文書は)「(前略)私どもの従来から進めております指導方針とややそごする点がありますこと、またそのことについて明確に答弁で申し上げなかつたことにつきましては大変遺憾に存ずる次第でございます」と答えた。
  その際、同局長は、生乳取引の具体的な内容即ち数量、価格、受渡し場所等については、この契約書とは別に「覚書」において「双方の合意が認識されておる」とも答弁し、本来、契約内容に必要な事項が記されている旨表明した。そこで私は、その「覚書」の提出を同委員会で求めたが、いまだに提出されていない。今日まで「覚書」が提出されない理由は何か。また、その内容を速やかに明らかにされたい。
四 私は、質問第一八号(昭和六十二年八月二十二日提出)の四で大手乳業三社と指定団体との間で「期間別取引数量」、「用途別取引価格」、「乳質基準」等を明記した契約の文書化は全国で何件あるのかと質問した。これに対し政府は「生乳取引契約書は、都道府県知事に提出されることになつているので、その内容等について現在都道府県に照会しているところである」(内閣衆質一〇九第一八号)。また、衆議院物価問題特別委員会(昭和六十二年八月二十五日)において窪田牛乳乳製品課長は「契約の実態につきましては、特にこの届け出が都道府県の知事の方に行くことになつておりますので、現在都道府県を通じまして調査している段階でございまして、そのうち特に大手との間がどうだという点に絞つて調査しているところでございます」と答弁したが、現在まで何ら回答がない。すでに照会は終つていると思われるが、いつまでに回答するのか、明らかにされたい。
五 去る九月一日の衆議院農水委員会における私の質問に対し、青木審議官は「農協法に基づき、指定生乳生産者団体たる農協について検査をし、文書化の必要性を毎年指摘をしている」との趣旨の答弁を行つた。畜産局はこの事実を承知していたのかどうか、明らかにされたい。
六 本年三月十一日、東京・日比谷の松本楼において、複数の乳業メーカーと生産者等が、昭和六十二年度の生乳取引条件等について話し合いを行つたというが、当局はどのように承知しているか。

 右質問する。





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