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昭和六十二年十二月二十八日提出質問第一号
皇位繼承に關する儀禮等についての質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和六十二年十二月二十八日
提出者 滝沢幸助
衆議院議長 原 健三郎 殿
皇位繼承に關する儀禮等についての質問主意書
我國において皇位は連綿として不斷の道統であり神武建國以來ここに百二十四代を重ね給ひ國民齊く敬尊止まざるところであるが、昭和二十二年新憲法の施行により、其の法的制度的制約を餘儀なからしめられ、ことに宮中祭祀のこと、皇位繼承の儀禮典式の細目に至つては甚だ不充分なるまま今日に及んでゐる。このことは兼々識者賢人の憂愁措かざるところであつたが、先般、聖上御不例に渡らせ給ふに及び漸く世間に論談されるところとなつた。
殊に文藝春秋十二月號に掲載された記事は廣く國民をして皇位繼承の儀式禮法等の不備に重大な關心を寄せしむるに足るものであつた。附いてはこの時速かにこれら法的制度的不備を改善し、以つて皇位の萬歳を祈ることは國家國民の急務である。
よつて之に關し質問する。
二1 不日皇位繼承のことが生じた場合、大儀(大喪・大禮)の諸儀式は何を法的制度的根據として行はれるか。具體的に示されたい。
2 前例に倣うとする場合は、いつの例によるか具體的に示されたい。
三 大儀等の責任は何人にあるか。主催者・責任官廳等明確に示されたい。
四 大儀等の經費は國の資擔であるか。その豫算項目を具體的に示されたい。
五 大喪使・大禮使その他の組織は置かれるか。
六 神器繼承の儀は國の責任に於て行はれる公事と解してよいか。
七 大嘗祭の儀は、古例通り公事として行はれるか特に示されたい。
八 即位の禮・大嘗祭等は從來京都に於て行はれたが、今後は如何。明答されたい。
九 大喪の儀は傳統的に夜間に行はれるべきものであつたが今後は如何。その時刻を示されたい。
十 右に於て葬列は缺くべからざるものであるが之は前例通りに行はれるか。其の規模等内容を明らかにされたい。
十一 御靈柩は如何なされるか。轜車及び葱花輦を使用されるのか。その樣式を明示されたい。
十二 儀仗隊・禮弔砲はなされるか。その編成・樣式を示されたい。
十三 践祚の儀を抜きにしては皇位の繼承はあり得ないと解されるが、之は行はれるか。
十四 右皇位繼承前後にかかはる一連の禮式における裝束は如何にされるか。又その席次は如何にされるか。それらを決定する機關・手續等を示されたい。
十五 警護・警備の態勢について示されたい。
十六 國民が齊く之を弔祝するための措置は如何。例へば、服喪・祝日等についての用意あれば之を示されたい。
右質問する。