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昭和六十三年十月二十日提出
質問第二三号

 國務大臣と國會との關係についての質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十三年十月二十日

提出者  滝沢幸助

          衆議院議長 原 健三郎 殿




國務大臣と國會との關係についての質問主意書


 憲法の定めるところ國會は國權の最高機關であり、内閣総理大臣はここから選ばれて國務大臣を任命し、内閣は連帯して國會に對し責任を負ふ。
 ついては國務大臣及び之を補佐する政府委員が國會審議にかかはる精神と姿勢は直ちに國政の基本を左右するものであり、常に之を正し之を明かにすることは、之即ち國政の要事である。よつて、以下之に關して質問する。

一 會議における説明及び答辯の在り方について
  衆議院規則百三十三條に『会議においては意見書又は理由書を朗読することはできない』と定められてある。然るに現實は議員自ら、その質疑も討論も、その發言は悉く豫め用意した意見書的原稿を朗讀して憚らず、國務大臣及び政府委員の説明、答辯も全く同様である。
  さては昭和六十二年十二月一日第百十一國會の例の如く、現に今、その耳を以つて聴くを得た質疑の答辯の一部を『答辯が用意されてゐない』として留保を求めるや議長も之を了としたが如く、全くの朗讀の交換に堕してゐる。
  そもそも規則の精神は議員も國務大臣も、共にその場に即しその時に臨んでの生々しい論議論戰を國民の前に展開することを要求したもので、嘗つて我國の議會に之が行はれ、今諸外國の議會に之が爲されてゐることに鑑み、勇を鼓して議會と政府本來の姿勢を取りもどすべきである。見解如何。
二 議運と國對の二重構造が生んだ審議せぬ國會の在り方について
  國會は當然議長が之を運營し、議院運營委員會が之を補けて、その任を全うせしむべきものであるが、各會派各政黨が、その内部機關として國會對策委員會なるものを設けてゐる。之が唯に各黨派の方針意見人事等を決するに止まるならばよし、その國對の各黨協議が議運に優先先行して議會運營を司どり、さながら二重の構造を呈してゐる。この二元同格の機關に加へて、幹事長書記長會談等も複雑に絡み合つて、徒に事前接渉取引に寧日暇なく、肝腎なる議會は拱手時を過し、空轉日を送り、審議せぬ國會に對する國民の不滿と批判は、愈々嚴しく、かくては、我國の民主々義の根幹、議會制度の基盤をも揺がす事態をも招きかねないとの憂ひから、かかる國會に對して國政を圖る政府の見解と對策を承りたい。
三 政策の責任と道義観の低落について
  曩に(注)尾國務大臣は信條の相違の故に罷免され、奧野國務大臣また自ら任を辭した。或ひは瓦國務大臣は部下の事故の責を負ひ退任した。
  然るに最近政策遂行の失敗の故に任を追はれた國務大臣の例は寡聞にして知らない。且つまた内閣の連帶責任を規定した憲法の條文も、尠からず空文化してゐる。殊に政治に關するものの社會的・道義的・人格的責任については甚だ曖昧に過ぎてゐる。かくの如くあつては、國民は容易に政治を理解せず不信は益々募るのではないか。政府の見解を示されたい。

 右質問する。





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