質問本文情報
昭和六十三年十月二十八日提出質問第二五号
日本電信電話(株)(NTT)と(株)リクルートとの関係に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和六十三年十月二十八日
提出者 ※(注)崎弥之助
衆議院議長 原 健三郎 殿
日本電信電話(株)(NTT)と(株)リクルートとの関係に関する質問主意書
NTTとリクルートとの関係を明らかにすることは緊急を要すると考える。
従つて、次の事項について質問する。
1 リクルート社からNTTに接触があつたのはいつか。
2 回線リセール及びRCSのビジネスに発展した経緯はどうか。
3 NTTがリクルート社との商談にのつた動機は何なのか。
二 回線リセール及びRCSの内容について
1 郵政省は回線リセール及びRCSの設備、地域などの規模や利用度数、料金水準などの許容範囲をどのように考えているか。
2 その考え方と現状の実体との開きについてどう考えているか。
3 NTT及びリクルート社側の収支は把握しているか。
4 NTTのリクルート社へのノウハウ提供は公正だつたとみているか。
5 これらノウハウの提供、事業展開によつて新電電の専用線事業は不利益を蒙つたのではないか。
この点、特に公正取引委員会の見解を問う。
6 他の第二種事業は差別されていないか。この点についても公正取引委員会の見解を問う。
7 リクルート社の回線借用料金の実体、リセール及びRCS料金は妥当なものか。
三 リクルート社に対するその他の便宜供与について
1 米・クレー社のスーパーコンピューターの購入、設置の経緯は妥当だつたと確信するか。またクレー社のNTTへの売却価格及びNTTからリクルート社への売却価格はいくらだつたか。
2 例えば機器稼動及び場所の供与、要員配置等で過剰サービスを行つていないか。
3 NTTからリクルート社への転出社員並びに出向社員はいるか。
いるとすれば、各々何名で、給与等その待遇はどうなつているか。
4 長谷川元取締役、式場理事以外にNTTで未公開株(リクルートコスモス社)の譲渡を受けた役職員はいないと断言できるか。
四 電気通信事業法との関連について
1 事業法は競争状況が進むのを待つて、昭和六十五年三月までに見直されることとなつているが、リクルート問題の教訓を生かすつもりはあるか。
2 特定大口顧客とNTTとの野放図な密着関係は、イコールフッティング(同等条件)の競争原理による市場育成をめざす政府の方針を阻害することにならないか。
五 政府持株会社としての節度について
1 政府の行政指導の限界について郵政省はどう考えているか。
NTTは第一種事業者として政府の行政に従うことは勿論であるが、唯一の政府持株会社としての独自の政策をもつている。従つてNTTは単に第一種事業者としてばかりでなく、政府持株会社としても独自のチェックを受けなければならない。具体的には政府はNTTに対し、どこまで指導を行つているか明らかにされたい。
2 前記のような状況を踏まえ、NTTにおける特定の大口顧客に対する便宣供与、ノウハウの提供の限界についてボーダーラインを示されたい。
六 昭和五十九年十二月末のリクルートコスモス社の未公開株譲渡について政府側は七十六名と答弁しているが、実際は八十名前後ではなかつたのか。
再調査の上、答弁されたい。
右質問する。