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昭和六十三年十二月十六日提出
質問第三〇号

 輸入未承認の医療機器による保険不正受給問題に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十三年十二月十六日

提出者  野間友一

          衆議院議長 原 健三郎 殿




輸入未承認の医療機器による保険不正受給問題に関する質問主意書


 高度先進医療技術である体外衝撃波による尿路結石破砕装置をめぐり、薬事法及び保険医療費の受給に関し、以下の疑惑がある。
 東レ富士ピッカーインターナショナル株式会社(辰巳正則代表取締役社長、中央区日本橋室町三 ― 一 ― 八)は、薬事法に基づき体外衝撃波・尿路結石破砕装置=ソノリス二〇〇〇A(仏、テクノメッド・インターナショナル製)の輸入承認を一九八八年七月十八日に厚生省より得た(承認番号六三B輸第六〇五号)。ところが、同社はこの輸入承認に必要な治験データを得るための厚生省に対する事前の治験計画届(一九八七年一月十七日付)には、治験依頼病院を和歌山県立医大付属病院、奈良県立医大付属病院及び東海大学付属大磯病院の三ヵ所としていたにもかかわらず、和歌山県立医大病院における一九八七年六月十八日の治験終了後の同年六月二十五日、いわゆる治験病院ではない民間の向陽病院(西村道彦院長、和歌山市津秦四〇)にソノリス二〇〇〇Aを無償で授与、移設した。
 右向陽病院は、同機器を用いて昨年七月七日以降、本年八月二十三日までの間に約百十四件の治療を行い、多額の収入を得ただけでなく本年四月以降保険を不正に請求し、受給していた。
 以上の問題について、政府として事実関係の調査と厳正な対応を行うべきであると考えるので、次のとおり質問する。

一 東レ富士ピッカーインターナショナル株式会社の薬事法違反について
  前述のように、同社がいわゆる治験病院ではない向陽病院に対して、ソノリス二〇〇〇Aを和歌山県立医大病院から移設した事実関係の詳細を明らかにされたい。同時にこれは、薬事法にいう治験目的外の授与禁止の違反に当たると思うがどうか。
  また、しかるべき処分を行うべきだと思うが如何。
二 向陽病院の不当な費用徴収と保険の不正受給について
  前述のように、向陽病院はソノリス二〇〇〇Aを用いて約百十四件の治療を行つたが、その内訳は、@一九八七年七月七日から開始して、体外衝撃波・尿路結石破砕術が一般の保険適用ではなかつた一九八八年三月三十一日までに約五十件、A同術が一般保険適用となつた四月一日からソノリス二〇〇〇Aの輸入承認前の七月十七日までに四十件、B同機器が承認を得た七月十入日から八月二十三日までに二十四件となつている。
 1 @のケースでは、患者から一人当たり約三十万円ないし五十万円を治療費として徴収しており、その総額は概算で二千万円前後になるものとみられる。和歌山県当局の問合わせに対して同病院はこれらの徴収金を「預かり金」などと称しているという。
   しかし、このソノリス二〇〇〇Aは薬事法の承認を得るために治験目的で輸入された医療機器であり、同病院には無償で授与されたものである。これを使用して治療し対価を得ることは、医療機関のモラルとして正常、健全な行為といいえないことは明らかであると思うがどうか。また、患者から「預かり金」として金銭を徴収しうる根拠はないと思うがどうか。
 2 Aのケースでは、ソノリス二〇〇〇Aは未承認機器であり、体外衝撃波・尿路結石破砕術の技術料はもちろん入院費、食費等の関連する費用も保険請求できないこととなつているにもかかわらず、同病院は少なくともこれらの関連する費用について保険請求し、受給している。その不正請求内容の全貌について金額を含めて明らかにされたい。同時に同病院が、不正に受給した保険医療費はその支払い機関に対し、また、患者から自己負担金として不当に徴収した部分はその患者に対し、直ちに返還するように和歌山県当局をつうじて指導すべきだと思うがどうか。
   さらに、ソノリス二〇〇〇Aの輸入承認がおりた後のBのケースにおいても同病院は、不当にも材料費の名目で患者から金銭を徴収しているが、その徴収総額を明らかにされたい。
   また、患者に返還するよう指導すべきと思うがどうか。

 右質問する。





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