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平成元年六月二十二日提出
質問第三六号

 大嘗祭・即位禮に關する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  平成元年六月二十二日

提出者  滝沢幸助

          衆議院議長 田村 元 殿




大嘗祭・即位禮に關する質問主意書


 昭和天皇の御大喪も無事にすみ、國民はひとしく來るべき大嘗祭・即位の禮が、我國の歴史と傳統に照して誤りなく、且つ皇室を尊崇して止まない國民の念ひに適ふとともに、憲法等の法理に反しない方式において、然も嚴肅に執り行はれることを祈念してゐる。
 然るところ、過般の御大喪は、一部の反皇室勢力を恐れてか之を國事として一貫できず、大眞榊・鳥居の撤去など、非禮の謗りを免れ得なかったことは、誠に殘念である。
 ついては、來るべき兩祭儀に誤りなからむことを冀念して、以下質問する。

一 大嘗祭・即位の禮の時期について
 1 今上天皇の大嘗祭は古例によれば諒闇明けの秋(十一月)に行はれるべきであるが、之を具體的に表明すれば平成二年十一月となる、と解してよいか。
 2 また大嘗祭と一體不二の關係にある即位の禮は、能ふ限り、盛大且つ華麗に行ふを宗とすべきであり、一方、大嘗祭は、清淨にして嚴肅なるをよしとされることから、兩祭儀は切り離し、適當の期間を置くべきであるとの意見は柳田國男の説以來今日まで行はれてゐる。
   又、此の説とは別に、後述の二と關聯して我國の今日的状況下にあっては、先行されるべき「國事としての即位の禮」に對し、「皇室の行事」としての大嘗祭が輕視される惧れなしとしないとの實際論から、兩祭儀は引續き行ふ以外なしとの有力な意見もある。
   政府は果して如何なる見解と方針を持つか伺ひたい。
二 大嘗祭・即位の禮の場所について
  次に、これが執行の場所については、明治以來、東京説と京都説の二説がある。舊皇室典範は即位の禮及び大嘗祭は京都にて行ふ旨明記してをり、新典範にはこの表記がない。
  思ふに大嘗祭は、その成立の歴史的經緯と本來的意義からして、王城の地において齋行されるべきであり從って東京であるべく、又、即位の禮も同樣に東京であるべしと考へるが、政府としては、この兩祭儀を、それぞれ何處で行はむとしてゐるか伺ひたい。
三 兩祭儀の根本的意義について
  さて最も重要肝腎な問題は、兩祭儀の歴史的・國家的意義づけである。
  前文にも述べた如く、先の大喪の禮は一連の儀式のうち、葬場殿の儀を皇室行事として行ったが、數ある皇室祭儀のうちでも大嘗祭は別格の重き意義を有してゐる。そもそも成立の經緯からして、大嘗祭は國事以外では決して有り得ず、之は新嘗祭が皇室祭祀であるにとどまってゐるのとは基本的に異なっている。
  既に、新帝陛下の踐祚に伴ふ劍璽渡御の儀が國事として執り行はれたことでもあり、大嘗祭は斷じて國事として行はるべきと考へる。
  勿論、大嘗祭の齋行については國事論の外に、皇室公事論、皇室私事論等が世に行はれてゐるが、私事論はさて置くとして、前二論のいづれを政府はとるか。この際、明確にされたい。
四 皇室典範について
  そもそも天下無雙の重儀たる大嘗祭に關して、かくの如き質問を敢てせざるを得ないこと自體が、國家的不幸と云ふべきである。
  而してその原因は實に皇室典範の不備にある。
  ついては此の際、典範の改正をなし、後々のため備ふべきではないか。政府の方針如何。

 右質問する。





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